GANEN さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ…
「戦争」なんて衝撃的なタイトルですが、ほぼ合ってます。
戦いの規模はたいしたことありませんが、これは確かに戦争です。
ちなみにグロはありません。
基本は、国家の秩序を乱したり人権を侵害する恐れのある出版物を取り締まるメディア良化隊と、これに対抗する図書館独自の軍隊・図書隊の戦い。
たかが「本」で戦いなんて、想像しづらいと思う。
でも、この世界では必要なこと。
それは表現の自由、本の自由を守るため。
この世界とリンクする記憶に新しいニュースが、「はだしのゲンは学校図書としてふさわしくないのでは?」というもの。
少しでも差別的表現や青少年に悪影響を及ぼす可能性が考えられる箇所が存在する場合、メディア良化委員会は、協議の余地なく検閲対象とするだろう。
そして全て回収し、以後閲覧不可とするのである。
もうひとつの軸は、主人公・笠原 郁の恋愛。
高校時代、本を検閲から守ってくれた図書隊員(通称:王子様)に会うためここに就職。もちろん本を愛する気持ちも並みじゃない。
血気盛んで騒動や問題を起こしちゃったりするが、同僚等に見守られ、人間として成長していく。
お勉強は苦手だが、真っすぐな性格がかわいらしいのである。
王子様自体は初期段階で予想がつくと思う。
そしてきっとヤキモキして胸がキュンキュンすると思う。
一方が好きだ好きだとアピールし、もう一方が段々とほだされていくアニメが多い昨今、この感じは個人的に新鮮。
表現・言論の自由を懸けた熱い戦いと激ピュアな恋愛が楽しめる一石二鳥アニメ。
各設定がしっかりしている上、話のテンポもちょうどいいので、きっとすぐこの世界に入り込めると思う。
ハマってしまった人はぜひ一度原作を読んでいただきたい。
より深く物語を楽しめると思う。
また、キャストが脅威のシンクロ率をみせた実写版もお勧めする。