タル。 さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
少年は空を仰ぎ、少女は空に恐怖する。
ありそうでなかった新感覚アニメーション。
「手を離すと、彼女は空に落ちていく。」
話の説明は抜きにして、この作品の最大の特徴でもある上下さかさまの世界についてですが、最後まで驚きの連続です。「空に落ちる」という観客の誰もが体感したことのないであろう感覚が伝わってきて、それだけでも観に行ってよかったと思いました。さらに視点が上下反転することによってそのシーンが何を中心に進んでいくのかがわかりやすい部分もあったりして、そのあたりはぜひ劇場で見て欲しいです。
ただこの作品、いいところも沢山ありますが、それだけにおしい部分もありました。それは、設定や世界観に力を入れすぎた結果、本編の内容に若干のもの足りなさというか、「ここをもっと描いてほしかった」みたいな部分が所々あったことです。たとえば、主人公の同級生の女の子についてや悪役の男がなぜあそこまでサカサマ人にこだわるのかなどなど。聞くところによると細かい設定はパンフに載ってるらしいのですが、できることなら作中に入れて欲しかったです。
監督は「イヴの時間」で有名な吉浦康祐さんということで、イヴの時間が好きだった自分は1年近く前に配信されていたショートムービーの時から見ていたのですが、おかげでどうも純粋に作品を楽しめなかった感じがします。そこに関しては自分を責めるばかりです。
公開は11月でしたが、今後まだまだ公開劇場も拡大していくらしいので、見ていない方は見ておいて損は無いはずです。