じぇりー さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
主人公にもう少し魅力が欲しかった
主人公キバを始め、狼である主要4キャラクターには、序盤・中盤辺りは全く感情移入ができなかった。
なぜなら、彼らはほぼ本能の赴くまま、その正体のはっきりとしない伝説の"楽園"を求めて、ただただ猪突猛進に旅をするだけだから。
彼らの行動を支えるバックグラウンドとなるドラマがないのだ。共感のしようがない。。。
さらに、彼らは4匹で「群」として行動しているように見えて、{netabare}その思い・目的はバラバラで、一枚岩ではない。なぜこんな過酷な旅を、衝突し合い悪態をつきながらも、続けるのか…その「原動力」的なものがハッキリしない。{/netabare}
これが、本作における伝説の獣「狼」の「本能」だと言ってしまえば、それまでだが。
狼は特殊能力として、人間に姿を変えることができるが、恐らく実際に人間の姿になっているのは、人の目をごまかすため、人間のいる町中に居るときくらいだろう。
だが、実際全編を通して、彼らは人間の姿で描かれることの方が多かった。これは、視聴者側が少しでも彼らを身近に感じることができるようにするため、という演出側の意図だろう。
…だとしても、やはり狼たちのキャラクターに魅力を感じることは難しいと思うのだけれども。
むしろ、「楽園・花・狼=世界の謎」を解き明かそうと奔走する元夫婦、狼への執念を燃やし追い続ける老人など、人間側のキャラクターのドラマの方に引き込まれた。
特に、元夫婦のハブとシェールの関係性が素敵で、私としては、彼らがどうなっていくのかが、このアニメでの一番の見所になっていた。ウルフどこへやら。
TV未放送回となってしまった、ラスト4話にこそ、この物語の真骨頂がある。(終盤がクライマックスとなるのは当たり前の事だが、この作品に関しては、この4話が無くては全くストーリーとして成立しない。)
この4話で一気に、狼たちへの印象が変わった。ようやく狼を好きになりかけたら…
物語は終わっていた。