ワタ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
No where, Now here
孤島を舞台に、少年少女たちが人類の存亡を賭けた戦いに挑むロボットアニメ。
前半は観ていて苦痛でしかない。兎にも角にも説明不足だし、
やたら悲壮ぶったキャラ達に全く感情移入できないまま淡々と進んでいくだけ。
後半への布石とも言えるんだけど、それだけで済まされる問題じゃないよなあ・・・
で、もう散々言われてるけど後半から持ち直します。
これは例えばシュタゲのように、本格的にストーリーが動き始めたから、というよりも
脚本の質(酷く曖昧な表現で恐縮ですがw)が全然違うわけです。
個人的に17話から格段に面白くなった感。
もっと具体的に言うと、この回の一騎とカノンのやり取りからですね。
{netabare}戦場に身を置き、命令に従うだけの空虚な存在だったカノン。
そんなカノンへの
一騎「命令された時、お前安心しただろ」
この一騎の言葉、当時かなり衝撃を受けたことを覚えてます。
不器用ながら必死に説得を試み、コミュニケーションを取ろうとする一騎。
結果的に命令に背き、自爆装置を自らの意志で解除したカノン。
集団の中に埋没していたカノンが「個」を取り戻した瞬間。
本作屈指の名シーンでしょう。{/netabare}
そしてこの辺りから「あなたは、そこにいますか?」という本作を象徴するフレーズが
確かな実感を伴う言葉として、視聴者の心を激しく揺さぶってくるわけです。
本作の最も秀逸なところは正にここ。
序盤からうんざりする程連呼されるフレーズなんですが
この言葉が多種多様な意味をもって、もうガンガンに響いてくるんですよ。
エヴァの模倣としか思えなかった本作が、ここにきて漸く独自の輝きを放つようになります。
確かに設定のみならず、テーマ(他者との関わり、自身の存在証明)も似通ってはいる。
でもファフナーの方が演出的なクドさがないし
エヴァよりもテーマに真摯に向き合い、丁寧に掘り下げてると思う。
鬱要素満載の作品ですが、どことなく前向きな部分を感じられるのも良かった。
ただ、アニメ(映像作品)として見た場合、断然エヴァの方が上かなーとw
平井久司のキャラデザは好みの問題としても、戦闘シーンとかもっと頑張れよと言いたい。
angelaの歌う主題歌は凄いですホント。OPもEDも作品に絶妙にマッチしています。