かすけす さんの感想・評価

4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

素晴らしい構成、スリリングなアクション、そして何処か「温もり」を感じる作品

ジャンル:サスペンス、群像劇
全13＋3話


「デュラララ!!」と同じ原作者&製作陣ということで以前からずっと気になっていた作品です。ようやく視聴しました。

この作品もデュラララ同様にジャンル分けがしづらい作品です。コメディだったりミステリーだったり恋愛だったり...とりあえず様々な要素が組み込まれています。

まずOPが凄く良いですよね。最近のアニメのOPにはあまり無いインスト曲です。管楽器の軽快な音が心地良くしてくれました。

バッカーノの最大の特徴だと思われるのが、構成が独特であるという事です。
この作品は、主に1711年、1930年、1931年、1932年の4つの時間軸でのストーリーがメインとなっていますが、この4つの時間軸が順番バラバラに描かれているのです。とにかくランダムでシーンが描かれるので、それなりに集中して観ないと混乱してしまうかもしれません。
一言で言ってしまえば、難しいですね。

しかし、この難しい構成を理解しやすいように工夫もされています。
まず、各話のサブタイトルが、その回に起こる出来事なのです。サブタイトルを確認すれば、その回の要点を少しでも絞ることが出来ると思います。
さらに、OPの途中でその回に重要な前回までの出来事やセリフをダイジェストでまとめてあるので、その回の見所をおさえる事が出来るはずです。この方式はデュラララでも行われましたね。
時間軸の確認は、シーンの前に西暦が表示されるので、それを確認して状況を追うしかありませんね...

しかし、状況を理解してしまえば、もうひたすら面白いです！非常にテンポ良く、回数を重ねる度に謎が生まれ深まっていき、観る度に視聴者をどんどん引き込んでいきます。もちろん自分もどっぷりと引き込まれていって夢中になりましたね。
最後まで分からない結末...そして4つの時間軸でのストーリーが全て繋がったときは興奮しました！この構成の素晴らしさは拍手せざるを得ないですね。

そして登場人物のキャラが濃すぎて魅力的でした。キャラクターの大半がマフィアとか殺し屋等の不良ばかりなのですが、どこか温もりも強く感じるんですよね。そのギャップが個人的に大好きです。
特に、アイザック&ミリアのバカップルの言動に何度か泣かされてしまいました。普段は物盗んでバカやってあちこち廻る文字通りのバカップルですが、バカなりのポジティブな言動で何人もの心を揺さぶり、元気付けていた姿に感涙しました。

一番感動できたシーン、セリフは、
{netabare}13話、列車の上でのチェスとの会話で
アイザックが「よし！このアイザックに任しとけぇ！」と明るく言い放ち、
ミリアが「だからね、もう笑ってもいいんだよ」とチェスに明るく優しく囁いたシーンです。二人の心の温かさを特に強く感じることが出来て泣けましたね。 {/netabare}

ストーリーは難しめで序盤は理解する事で精一杯でしたが、素晴らしい構成、派手でスリリングなアクションを楽しめ、人の温もりを強く感じる事が出来る傑作だと思います。
自分の大好きな作品の1つになりました！