ぱるうらら さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これは本当にラノベ原作なのかや?
『狼と香辛料』はラノベ原作、1クール(全13話)のファンタジーアニメです。
このアニメはラノベ原作の成功例とも呼べる程の完成度の高さでした。 活字だけのライトノベルからこれほどまでにその世界観というものを表現できるものなのだなぁと初めて感心、そして感動を覚えた作品でもあります。
多くの行商人が馬車を転がして東西南北の様々な町を行き交い交易をしたていた中世ヨーロッパを、教会という大きな存在や人々の格好、街並み、人の手を殆んど加えられていない雄大な草原の光景などによってうまく表現していました。そしてその作画の美しさも中世ヨーロッパの美しさを私たち視聴者に存分に伝えたと思いました。
承認同士の取引時やごく普通な日常的なやり取り、主人公のロレンスとホロの会話などにおいて、その感情や表情がありありと表現されていました。また、ホロという少女(賢狼)の存在が大きく関わってくる時以外は主に人と人の無理の無い現実的なやり取りが為されていたことが、このアニメの世界観を構成するにおいて重要な役割を果たしていたと思われます。
行商においては取引する際のロレンスの相手を説き伏せるかの様な巧みな言い回しやホロの横からの助言などを楽しむ事が出来、また町から町への移動中におけるほのぼのとした感じや深夜の森、または商会の人間に追われている時の緊張感をただ彼らの感情によって表しているではなく、その場の天気や暗さ、森のざわめきなどによって視聴者達に感じさせている点は素晴らしいと思いました。
後半だけに大きなシリアスな展開を持ってくるのではなく、ほのぼのとした平和的展開の後にシリアスな展開という流れを繰り返し、そらにそのシリアスな展開はどれも同等のシリアス感を醸していたという点は評価に値します。これがこの作品の評価が高い大きな要因の一つであると思います。
以下の点より、ライトノベルという活字体の原作からアニメへの再現度は最高レベルであり、まさにラノベ原作からのアニメ化の成功例と言っても過言ではないでしょう。