disaruto さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ひたすらに真っ直ぐな「母親の愛」
細田守監督作品です。
ジャンルはヒューマンドラマ・ファンタジーです。
「私は“おおかみおとこ”に恋をした」
細田監督も宮崎監督と同じで声優が嫌いなのか、よく主演に俳優を使いますよね。
話題作りということでしょうか。
まあ上手い人ももちろんいるのですが、やっぱりアニメにはプロを使った方が安定感があります。(私感)
でも「時かけ」「サマーウォーズ」よりは主演声優が上手いと思います。
肝心のストーリー。
本編を通して気になる点を幾つか。
①子どもを作ることについて
{netabare}一人目はまだわかる。
でも二人目まで作るでしょうか?
経済的に厳しいのは、主人公が大学生ということから分かると思います。
加えておおかみと人間のハーフですからね。
様子見ても良かったんじゃないかな?
フィクションに何言ってんだっていう話なんですけどw{/netabare}
②おおかみおとこについて
{netabare}前半で死ぬからと言って、あまりにもキャラの掘り下げ方、死に方が雑なように感じました。
なんでああなったのかについて、もうちょっと納得のできる答えが欲しかったですね。
よく言われることですが、じっくりと登場人物を引き延ばして死んだ方が作品としては印象的になります。
終盤でのおおかみおとこが出てくるシーンがイマイチ感動できなかったのは個人的にはここにあります。{/netabare}
③花の性格について
{netabare}ぐう聖です。
あまりにも精神的に強すぎる気がします。
もうちょっと子ども達を強く叱る描写があっても良かったかなと思います。
「フルーツバスケット」もぐう聖な主人公ですが、あちらはTVシリーズで長い時間をかけて描いているので良いと思うのです。
短い映画で聖人を生むのはちょっと難しいですね。{/netabare}
上で少々ケチを付けましたが、主題がストレートに伝わってくるあたりは素晴らしいと思います。
これは本作における長所であり、短所でもあります。
「子どもに対するまっすぐな母親の愛情」
これについては全くブレず、母親の強い愛情をしっかりと描いています。
評価しない人にはこれが「母親信仰」に感じるということでしょう。
加えて秀逸な点は「子ども達の心情変化」でしょうね。
最初は女の子がやんちゃで、男の子が引っ込み思案。
ですが年を取るごとに変化していきます。
そこでの葛藤、自分の生き方を真剣に悩む様は素晴らしくよくできています
総括して、細部に甘さは見受けられますが非常にテーマ性が強い作品だと思います。
女性の方が共感できる作品かもしれません。
どうでもいいですが、本作はファミリー向けではないですよねw