「化物語(TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
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ネタバレ

とすかねり さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

君の知らないアニメーション(だったらとりあえず見よう)

原作先行読了

*ストーリー
 基本的には原作準拠。構成は「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネーク」「つばさキャット」の5章構成。ただし、TV版では、「つばさキャット」の解決を見ないままに終了となった。構成に関しては、賛否両論あるだろうが、配信自体は多少時間がかかりつつもなされ、完結を見られたことや、一応の最終回としてあの回を選んだことの良さ、更には、全体の構成バランスや「つばさキャット」の内容の深さからして短縮することが望ましくないことなどを加味すると、個人的にはTV版をいったん終了させて配信にしたことは寧ろ正解だったように思う。
 さてその上で、やはり本作の特徴として挙げねばならないのは、多くの伏線の回収と言葉遊びだろう。伏線の回収に関しては、やはり短期・中期・長期の全てのスパンで伏線が張られては処理されていくことを感じてもらえると思う。更に、言葉遊びについては、「これでもか!」と言う位に施されている。アニメの言葉遊びが気に言った方は、是非小説の原作も読んでいただきたい。さらっと見逃した言葉遊びを発見できるかもしれない。
なお、以下、筆者がアニメ放送時に書いた「ひたぎクラブ」解説レポートを添付する所であるが、およそ中身の無いものであるので、興味がある方だけ、時間がある方だけご覧になって頂ければ幸いである。
☆5

【↓ネタ多め閲覧注意】{netabare}
1、 はじめに
 化物語という作品の良さは、前衛的な構図や作画の緻密さもさることながら、その多分なる伏線と言葉遊びにある。何度見ても発見があることこそ、本作品の人気の核であるのだ。
 本稿は読者諸兄が作品をより分かりやすく、楽しく鑑賞できることを念頭に置いて作成されたものである。つまり作品中の伏線や言葉遊びに着目し、分かりやすく解説を加えることで、作品の良さを読者諸兄に伝えんとするものである。ついては、多分にネタばれを有することとなるため、あらかじめ御了承いただきたい。
 本稿の方針としては、圧倒的な独断と偏見で、可能な限り細かいところまで穿った見方をするつもりである。ついては、多少読者諸兄の見解との相違もあるかと思うが、そこは御理解いただきたい。
 したがって当然、筆者たる私の私見が先行する為、多少学会の通説と反する点も多々あることと思うが、そこは読者諸兄が数々の文献に当たってその意味を解し、もっとも得心のいく説を指示することを望む。云わばこれはそのための第一歩、いろはのいとしての文章である。
 本稿が皆さまのアニメ版「化物語」の鑑賞をより新しく出来ることを、心から祈念する次第である。
 なお、本巻はひたぎクラブについての解説書である。今後、まよいマイマイ、するがモンキー、なでこスネイク、つばさキャットについての解説書を発行するかは、正直本書の人気次第であるので、読者諸兄の大反響を期待する。
 本稿は一応アニメ版じ準拠して進めていくが、解説や学説の都合上原作との絡みを述べる事もあろうことを併せて注意書きをさせて頂く。

2、 「ひたぎクラブ其の壹」について
① 冒頭文章
まず当然のことながら、「友達ハヰナイラシイ。一人モ、デアル。」は、ラストの「大切な友達が一人、出来たのだから」を予見していることは言うまでもない。
この冒頭で重要なのは寧ろ、「イツダツテ戰場ヶ原ハ、其処ニヰルノガ當タリ前ミタイナ顔ヲシテ、教室の隅デ、本ヲ讀ンデヰルノダツタ。己ノ周圍ニ壁ヲ作ツテヰルノダツタ。其処ニヰルノガ當タリ前デ。此處ニヰナイノガ當タリ前ノヤウニ。」の部分である。これは、儀式を行う前の忍野の台詞、「そこにいるし、どこにでもいる」をフライングしている。そういう観点からこの一文をみると、「己ノ周圍ニ壁ヲ作ツテヰルノダツタ。」も、ひたぎが蟹と行き遭ったことへの暗示とも取れる。つまり、蟹のかたい甲羅がひたぎの頑なな心の象徴というわけである。(なお、途中の「洒落ニナラナイクラヰ、不思議ナクライ、不氣味ナクライニ、コ丶ニヰナイカノヤウニ」も同一軸上の問題である。)
この解釈を取れば、ひたぎの蟹の問題に解決は心の壁の消滅を意味し、同時に友達ができたとも考えられる。即ち、両伏線は最終的な「友達ができる」というラストへの物であると解釈するのが妥当であろう。
更に細かい点であるが、「讀ムコトニヨツテ知的レベルガ下ガツテシマヒサウナ表紙デザインノコミック本ノトキモアル。」は、後に彼女が忍野を名前から「子供の頃は、さぞかし萌キャラだったのでしょうね」と予想したり、萌やキャラを「これしき、一般教養の部類よ」と言って憚らなかったりする様子への伏線となりえているであろう。

<参考引用(一部省略)>
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードノコトヲ、ソロソロ語ラナクテハナラナイ頃ダト思フ。僕ニハ屹度、其の義務ガアル。高校二年生カラ高校三年生ノ狭間デアル春休ミ-僕ハ彼女ニ出會ツタ。其レハ衝撃的ナ出會ヒデアツタシ、マタ潰滅的ナ出會ヒデモアツタ。イヅレニシテモ、僕ハ運ガ悪カツタノダト思フ--勿論、僕が其ノ不運ヲ偶々避ケラレナカッタノト同ジヤウナ意味デ、其ノ不運ヲ偶々避ケラレテヰタノダトシテモ--僕デハナイホカノ誰カガ同ジ目に遭ツテヰタカト言ヘバ多分、ソンナコトハナイノダラウ。運ガ惡カツタナドト云フノハ或ハ非常ニ無責任ナ物言ヒデアリ、僕が惡カツタト素直ニサウ云フベキナノカモシレナイ。結局アレハ、僕ガ僕デアツタガユヱニ起キタ、サウ云フ一連ノ事件ダツタノダト思フ。
戰場ヶ原ヒタギハ、クラスニ於テ、所謂病弱ナ女ノ子ト云フ立チ位置ヲ興ヘラレテヰル。戰場ヶ原トハ、一年、二年、ソシテ今年ノ三年ト、高校生活、ズツト同ジクラスダケレド、僕ハアイツガ活溌ニ動イテヰルト云フ繪ヲイマダカツテ見タ事ガ無ヰ。戰場ヶ原ハイツモ教室の隅ノ方デ、一人、本ヲ讀ンデヰル。難シサウナハードカバーノトキモアレバ、讀ムコトニヨツテ知的レベルガ下ガツテシマヒサウナ表紙デザインノコミック本ノトキモアル。頭ハ相當イイヤウデ、學年トップクラス。試驗ノ後ニ張リ出サレル順位表ノ、最初ノ十人ノ中ニ、戰場ヶ原ヒタギノ名前ガ必ズ記サレテヰル。友達ハヰナイラシイ。一人モ、デアル。勿論、カト云ツテ苛メニアツテヰルト云フコトデモナイ。イツダツテ戰場ヶ原ハ、其処ニヰルノガ當タリ前ミタイナ顔ヲシテ、教室の隅デ、本ヲ讀ンデヰルノダツタ。己ノ周圍ニ壁ヲ作ツテヰルノダツタ。其処ニヰルノガ當タリ前デ。此處ニヰナイノガ當タリ前ノヤウニ。マア、ダカラト云ツテ、ドウト云フコトモナイ。タトヘ三年間クラスガ同ジナンテ數奇な縁がアツタトコロデ、其レデ一言モ交ハサナイ相手がヰタトコロデ、僕ハ其レヲ寂シイトハ思ハナイ。其レデイイ。戰場ヶ原モ、屹度其レデイイ筈ダ。サウ思ツテヰタ。
然シ。ソンナアル日ノコトダツタ。


② 戦場ヶ原ひたぎについて
(ア) 戦場ヶ原とは
戦場ヶ原は栃木県日光市の日光国立公園内にある湿原で、ラムサール条約に登録されている。暴言の多いひたぎに対する語感的形容と取るのが通例である。
なお、戦場ヶ原自体の由来は、「戦場ヶ原神戦譚」による。すなわち、アカギの神(赤城山)とニッコウの神(二荒山(男体山))がそれぞれ大ムカデ(赤城山)と大蛇(男体山)に化けて戦った戦場であるという伝説に基づくもの。(出典Wikipedia)この伝説の大蛇を後の「なでこスネイク」と関連させる説もあるが、ひたぎ自身とは関係性の薄いストーリーであるため、聊か荒っぽい解釈と言わざるを得ない。

(イ) ひたぎとは
 ひたぎという名前は、作中羽川翼が「土木関係の用語」と紹介しているが、該当する用語は発見されていない。ここにいくつか説を提示する。

(a) 「額木(ひいたぎ/ひたぎ)」説
弓の上切詰籐より上部分で、内側(弦側)の板部分のことである。読み的には相当だが、意味合いは土木関係とは言えず不適当であろう。

(b) 「火焚き(ひたぎ/ひーたぎ)」説
 文字通り火を焚くことである。御焚き上げ等の行事も土木工事の一環として行われているから、一応土木関係といえるかもしれない。
 ただ、これを「ひたぎ」もしくは「ひーたぎ」と読むのは茨城の方言である。作品舞台は直江津高校などの名前から越後の方面であると通説になっているため、その意味では反論の余地を残す。

(c) 「下木(ひたき)」説
 森林の、高木の下に生えている低木のことである。資源価値は低い。方言として「ひたき」と読む地域があるらしい。しかし、彼女の性格やキャラクターからこの名前を選ぶのは聊か困難である。

(d) 「直切り(ひたぎり)」説
 切りまくることや、めった切りを意味する古語である。(例文:この男、具覚坊にあひて、御坊は口惜しき事し給ひつるものかな。おのれ酔ひたる事侍らず。高名つかまつらんとするを、抜ける太刀むなしくなし給ひつることと怒りて、ひた斬りに斬りおとしつ。<徒然・八七>)彼女の暴言キャラクターとしては最適の意味合いである。
 ただし、やはり字余りが生じていることと、土木関係の用語としては関連が薄いことから、この解釈も問題が残る。

現状、学会の通説としては「直切り(ひたぎり)」説が有力となっているが、いまだ確証はない


③ 翼との会話のシーンについて
 言うまでもないことだが、翼の「今の方が——昔より、ずっと綺麗、なんだよね。存在が——とても儚げで」という台詞には、体重を失くし、身長165cmに対し、全体重が5kgという超希密度のひたぎへの暗示が含まれている。
 なお、身長体重は公式の発表より準用。

④ ひたぎとの邂逅のシーンについて
 戦場ヶ原ひたぎを代表するアイテムが、ホッチキスである。彼女のOPソングは「staple stable」であるが、当然stapler=ホッチキスの事を暗示する。歌詞には針(=staple)という言葉が使われている。
 先ずここで重要なのは、「口が裂けても喋らないと、阿良々木くんに誓ってもらうためには——どうやって口を封じればいいのかしら?」という台詞である。左頬にカッターナイフ、右頬にホッチキスを差し入れられた状態でのこの問いは、当然文字通り「裂く」か「封じる」かの2通りの脅迫を兼ね備えているのである。結局ホッチキスで以って「口を封じた」という事もなかなかに面白い。結局要求は沈黙と無関心であることを念押しした形になっている。

 次に、原作には表記されるが、暦が後を付けたことに対し「驚いた」としたのは、このような対処が初めてではないからである。これは、後のするがモンキーへの伏線となっている。しかし、アニメからそれを読み取るのはほとんど不可能と言って差し支えないだろう。

更に、ひたぎの「戦争をしましょう」という台詞であるが、後の忍野の台詞「お願いできないなら、言葉が通じないなら戦争しかないのさ」に繋がることは言うまでもない。
 

⑤ 学習塾へ向かうシーンについて
 忍野の住居へ向かうシーンであるが、そこでひたぎはとある最後通告をする。「服の上からはそうは見えないかもしれないけれど、私の肉体は、案外、法を犯してまで手に入れる価値はないかもしれないわよ」である。このシーンではなんてことない軽口のように流される台詞であるが、後、彼女が強姦未遂の被害者である事が発覚したことと併せて見ると、大きな意義を持つ通告であったと気付けるであろう。

⑥ 忍野と語るシーンについて
 ここではいくつかの言葉遊びが見られる。その中で明確なものは敢て言及しないが、活字にしなければ分かりづらいと感じた暦とひたぎの掛け合いのシーンのみ表記する。「こいつ呼ばわりはやめて」「じゃあ、何て呼べばいいんだよ」「戦場ヶ原さま」「…………センジョーガハラサマ」「片仮名発音はいただけないわ。ちゃんと言いなさい」「戦場ヶ原ちゃん」活字にすると分かりやすいが、ひたぎが「『ちゃん』といいなさい」と言ったために、「戦場ヶ原『ちゃん』」と呼んだのである。

 次に、重要な部分であるが、ひたぎの「自分で、できるから」という台詞であるが、彼女が蟹に重さを奪われたのは、あくまで彼女が自ら望んだことであり、自ら進んでズルをしたという点への伏線と言えよう。

 なお、忍野の台詞「ただそこにいるだけで、お嬢ちゃんが何かを望まない限り——実現しないんだ。いや、もっとも、そこまで事情に深入りするつもりはないけれどね。」だが後半の儀式には、ひたぎの家庭の事情に思いっきり立ち入っている。これは忍野がひたぎとの信頼を構築する上で時期尚早と判断して発したものと思われる。
 こういう点でも、ひたぎが忍野に救われながら彼を信用しきらない起因となっているのであろう。


⑦ おもし蟹について
 いくつか特筆すべき点がある。
 先ず蟹の一番の特徴は鋏であろう。鋏とは当然「切る」ものである。思いやしがらみに囚われる人を切り離すということへの象徴であろう。これは、蟹の字からも読み取れる。即ち、「解体する虫」ということである。
 次に甲殻である。先にひたぎの心の壁との関連性については述べたが、合わせて、思い出をその殻の中に大事に守るという意味合いもあろう。つまり、おもし蟹が常にそばに居る以上、切り離された思いは守られ、決して失ったわけではないのである。
 また、蟹を意味する英単語のcrabであるが、蟹以外の意味として、「気難しい人・荒探しする人」というものがある。ひたぎのキャラクター性とマッチしている。
 ちなみにひたぎは7月7日生まれのかに座である。
 
3、 「ひたぎクラブ其の貮」について
① 冒頭文章について
 これについては何の議論の余地もなく、ズルをしたひたぎに対する痛撃と考えて差支えなかろう。

<参考引用(一部省略)>
勝手ニ助カル-ダケ。忍野ハイツモ、サウ云フノダツタ。
コンナノハ知ツテヰルカナ?オ嬢チヤン。海外ノ昔話ナンダケドネ。アルトコロニ、一人ノ若者ガヰタンダ。善良ナ若者サ。アル日、若者ハ、町デ不思議ナ老人ト出會フ。老人ハ若者ニ、影ヲ賣ツテ呉レルヤウニ頼ムンダ。
「影ヲ?」
サウ。オ日様ニ照ラサレテ、足元カラ生ジル、此ノ影ダ。金貨十枚デ賣ツテ呉レ、トネ。若者ハ躊躇無ク、賣ツタ。金貨十枚デ。
「……其レデ?」
其ノ若者ハ、自分ノ影ナンテノハ、金貨十枚ノ價値ヨリ大事ダトハ、迚モ思ヘナカツタンダ。ダツテサウダラウ?影ナンカナクテモ、實質、何モ困リヤシナヒンダカラ。不自由ハドコニモ生ジナイ。
忍野ハ身振リヲ加ヘ乍ラ、話ヲ續ケタ。
然シ、其ノ結果、ドウナツタカ。若者ハ、住ンデヰタ街ノ住人ヤ家族カラ、迫害ヲ受けてシマフンダ。周圍ト不調和ヲ起コスコトニ成ル。影ガナイナンテ不氣味ダ-ト言ハレテネ。若者ハ、影ヲ返シテモラハウト老人ヲ探シ度ケレド、幾ラ探シテモ、ドンナニ探シテモ、其ノ不思議ナ老人ヲ、見ツケル事ハ出來マセンデシタ-トサ。チヤンチヤン。

② 民倉荘201号室の会話について
 このシーンは新聞の記事を挟む独特のカットを入れている。それぞれは分かりやすいのでここでは明記しない。

 ひたぎの「感想くらい言うのが礼儀でしょう!」という台詞は、ひたぎが全裸であることをもって彼女の幼少時代の手術痕を暦に見せたとする説がある。アニメでは手術痕には一切触れていないし、暦も気付いた様子は無いので、これは少々無理のある論理であるが、良い着目点を与える論である。即ち、強姦未遂の被害者たるひたぎが、男に対し全裸を見せたということである。これは、ひたぎが一定の信頼を暦に対して示していると解釈できる。

 次に、「服を着るのは得意じゃないの。重たいのよ。」という台詞であるが、これは単純に彼女の着脱や蟹のことを主題にしている訳ではない。この台詞は後に「まよいマイマイ」で、新しく買った服で登場することへの伏線である。問題の解決と同時に、ファッションを自由に選べるようになったのだ。それを考慮して、ひたぎの「出来れば一番最初に、阿良々木君に見てほしかった」という台詞も自ず理解できよう。

4、 最後に
 現在学会等で話題となっている点についての説明は以上である。
 しかし、はじめに述べたように、本作品は尽きぬ発見の集積である。故に、議論にならずに消えてゆくものもあるかもしれない。
 読者諸兄に於いては、弛まぬ勤勉の理念の下、新たなる発見を見出していってほしいものである。

{/netabare}


*作画
 いかにもシャフト。流石にシャフト。これに尽きる。抽象的なメタファーや独特の動き、アーティスティックな構図(有名な“シャフ度”も見られる。)など、深夜アニメを単なるストーリー性やキャラクター性だけでないものに押し上げるだけのパワーのある作品と言えよう。独特の映像の演出はシリーズディレクター尾石達也の得意とする所、といったところだろうか。
 ただ、若干動きに十分な緻密さがあったかや細かいところまでの書き込みが十分だったかなどに難があるため、辛めの☆4.5としたい。

*声優
 前述のように、本作で特筆すべきはやはり言葉遊びであろう。その点、声優陣も力のある方を取りそろえ、その言葉遊びが際立つように演じられていたように思う。また、シリアスシーンとギャグシーンが織りなす重厚的な本作の面白さを担保するに十分な切り替え力があったのも評価が高い。
 ☆5

*音楽
 BGMは勿論、テーマソングも全て名曲のオンパレードであろう。特に、名曲『メルト』をはじめとする名曲メーカーryoさんによるsupercellの渾身の一撃『君の知らない物語』はガツンとくる。
 他の準テーマソングとも言える1話ずつ入った(『sugar sweet nightmare』は14・15話だが)各キャラのオープニングも、やはりテイストが様々に入った名曲ぞろいの一策と言えよう。
 ☆5

*キャラ
 やはり本作の良さのひとつにはキャラの立ち方があるだろう。割合良くあるような属性の集合で、そこまで特出すべきではない、むしろ作者自身が意識的にキャラを分けてテンプレに押し入れている感すらあるのに、新鮮で引きつけるものがそこには在る。作風の感じから、陰鬱な感じになってもおかしくない所を、キャラ性とギャグシーンでバランスがとれている所は、是非注目していただきたい。
 ☆5

*総括
 もはやと言うべきか。西尾維新アニメプロジェクトの看板とも言うべき本作は、他の追随を許さない勢いとパワーがあった。プレスリリースの初動から、衰えることなく大いなる売り上げを達成したことはその証左と言えよう。
 現在も原作が進行中であるし、本プロジェクトに期待する所は大である。是非とも一度視聴されることをお勧めする。

投稿 : 2013/12/04
閲覧 : 241
サンキュー:

20

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