Lovin さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見た感じ
■概要{netabare}
原作:士郎正宗
監督:士郎正宗、北久保弘之
脚本:士郎正宗
キャラクタデザイン:北久保弘之
制作:アニメイトフィルム、AIC
イメージソング:「FINALLY」
by 北原優紀
{/netabare}
■主な登場人物
戦場ジャーナリスト(主人公)
スクープを追うことを至上とする戦場ジャーナリスト
博士の孫娘
祖父の七光りの為か気楽な生活をしている
ロボット博士
軍の庇護下にある関西弁のマッドサイエンティスト
■感想
原作漫画は未読でVHSを視聴。
本作品のタイトルは「ブラックマジック M-66」で、「ブラックマジック」という漫画の一つのエピソードをOVA化した作品らしい。原作は未読なので原作の面白さを表現できているのかは不明だが、「遊星からの物体X(原題:The Thing)」のような緊迫感のある近未SF作品として楽しめる。
攻殻機動隊で有名な士郎正宗が原作の近未来SFだが、その作品に比べてより近い将来、むしろ現在が描かれているといっても過言ではない設定になっている。当時はどのような構造なのかと笑っていた技術も、現在ならば実現不可能ではないものばかりで、先見性の凄さを垣間見ることが出来る。
内容としては、「ゲド戦記」のように物語の一部を抜粋した内容で、ある程度事前に知っておくべき設定などの説明が無く、初見では面白さを理解し難い作品になってしまっている。初めて見た際は理解できず疑問しか残らなかったが、改めて見直せば原作に興味が沸くくらい面白味のある作品となっている。
映像としては、80年代のセル画らしく若干の古臭さはあるものの、アクションシーンはそれなりに動くなど、現在の作品と比較しても大きく見劣りはしない。
キャストについては、榊原良子、横山智佐、永井一郎、水島裕、若本紀昭(現在は若本規夫)、小川真司、曽我部和恭、といった錚々たる名前が連なっている。その他にも、辻村真人、頓宮恭子、塩屋浩三という、失礼かもしれないが名脇役がキャスティングされている。
制作当時の詳細は知らないが、ヲタ先輩が登場する兵器の秘密について{netabare}「全身に2万発の弾薬が仕込まれている」(普通に考えたら、「耳なし芳一」のように文字を書くだけでも相当小さい文字にしないといけないと思うので余り現実的ではないがそこはSF)と{/netabare}熱く騒いでいたのと、原作者の士郎正宗の名前でそこそこ話題になったのではと想像する。後日談は語られるが、冒頭からの設定については殆ど触れられないので、設定を重要視する方にはお勧めできないが、士郎正宗独特の近未来SFワールドを楽しみたい方には、チャンスがあれば見て頂きたいと思う。
■類似作品
独特な世界観の作品なので思いつかない。
■蛇足:{netabare}
当時は本当に難解で意味が分からず何がそんなに面白いのかと疑問に思った。
多少の事情を知ってから見ると迫力があってなかなか面白い。
{/netabare}