こたろう さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2期がないとしたら、どう考えても円盤を買わないお前らが悪い!
Web漫画原作。
なかなか刺激的な作品タイトルですが、結局は、内向的な主人公の脳内独白が大半を占めています。
人付き合いが苦手な主人公、「もこっち」が、彼女から見てリア充なヤツをどう思っているか、その行動をどう感じているか、そして自分も絡めてどう妄想しているか。
そういうのを滑稽に大げさに描いたコメディです。
物事をナナメから見ることによる痛々しさが、何ともいえない本作最大の特徴でしょう。
痛々しいのですが、じつに漫画やアニメらしい作品。
色々アタマの中で悪態ついたり邪で残念な欲を出したりして、行動がカラ周りした挙句にロクでもない目にあってオチる。
エピソードの構成は大体こんな感じです。
個性的な主人公が暴走してハチャメチャな騒動のすえ最後はズッコケて終わる!というのは、伝統的なコメディ&ギャグの様式。
もこっちの場合、その騒動が表面に顕在化しないで彼女の中で行われているに過ぎません。
完全自己完結型ハチャメチャギャグ・・・とでも言いましょうか^^
(弟以外の)誰にも迷惑をかけないでドタバタ劇をやってのける彼女を、素直に笑ってあげるのが視聴者としての礼儀ってもんでしょうw
本人にそのつもりは毛頭ないでしょうが、体を張って顔芸やヨゴレ芸でお笑いを提供してくれる素敵な主人公です。
オーバーな作画やリアクションを取る演出、声優さんの演技力も加わり面白さが倍増してるのもグッドジョブ。
おかげで、声だして笑ってみてました(^_^)
素直に、コント的な笑いを楽しめた作品です。
立場上なんとなくボッチになっている主人公ですが、別に虐められているわけでも意図的にハブにされているわけでもなく、全てが自身のカラ周りに起因するもの。これがイイ。
もこっちの妄想する幸せは、わりと簡単に手の届くところにあるのがポイントです。
実際、内弁慶で脳内では過激なもこっちですが、外ヅラ的な行動そのものは控え目でわりと善良。
ゆえに、他人から悪意を向けられることもないし、普通にしてれば小動物的な可愛さもあります。
ちょっと勇気をだしたり、ちょっと考え方のベクトルを変えたり、それだけでいい筈なのに、そうはならないもどかしさの上に成り立っているのが本作。
おーい、もこっち、そっちじゃないよー。
という保護者的な視点でハラハラしてみるのが楽しみ方だと思われます。
結局、何かあったのか?というと進展も変化も何も無かった本作。
表面的には事件もなにもない平和な日常です。
事件は常に脳内でおきてるので、ネタさえあればいくらでも続けられます。
もこっちが悟りを得たときが、きっと最終回なんでしょうね、これ^^