退会済のユーザー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
修羅場を描くことをテーマにした作品
最近になっても、普通の恋愛アニメを見るつもりで見た結果「騙された!」とショックを受けている方が多く見受けられます。
気持ちは分かりますが、その勢いで酷評されまくっているのを見ると少し悲しくなります。
なので少しフォロー・・・というかこの作品に対する個人的な解釈を書いていきます。
できればこのアニメを見る前に見ていただけたらなーと思います。
まず、なんでこんなにドロドロしてるのっていうとこの作品は‘高校生で昼ドラやってみよう’みたいなものがコンセプトとして存在しているからです。修羅場ありきの恋愛なんです。
だからSchoolDaysに他の恋愛アニメの常識を持ち込むこと自体既に間違っています。
キャラクターが病んでたり性格がひん曲がってたりおかしい奴ばっかり!という点についても、上記のように愛憎劇を見せるためのキャラクターとして
設定されているのでおかしいのは当たり前なのです。
原作ゲームの会社であるOverflowのことを調べてみると、SchoolDaysにおける狂気は完全にフィクションとして割り切って考えられていることが分かります。
この会社は現実的な倫理と照らし合わせてゲーム作りするってことはしてないと思います。ある意味昔気質なエロゲ会社です。
視聴者の方々がこのアニメを見てリアリティを感じたならそれは自由ですが、そもそも作り手側はそう感じるようには作ってないです。
だって冷静に見ると後半なんか最早ギャグの領域ですし、公式もこんなもの作っちゃう始末なので。↓
http://www.youtube.com/watch?v=DU-pZ0ozBG8
つまり、この物語はフィクションとして、趣味の悪いエンターテインメントとして見ていただくのが正しいです。
なんでこんなの作ったんだよと言われても、Overflowは昔からこんな作品ばかり作っている風変わりな会社だからとしか答えられません。
いや、ほんとに知れば知るほどロクでもない作品ですが(笑)
三角関係を軸にした愛憎劇として見るとよく出来ているんですね。
キャラクターの悲痛な叫びが表情や声から強く伝わってきます。
僕がこの作品を好きなのは、やはり桂言葉というヒロインの魅力に尽きます。
深窓のお嬢様のようなお淑やかな女の子が、愛しの男の子を手に入れるために修羅と化す。
衝撃的でした。正直ストーリーなんか気にならなくなって、言葉ちゃんに釘づけになって・・・。
そういう、キャラクターの綺麗なところと醜いところ、裏表の作り方がとても巧かったです。
その分主人公の伊藤誠は当て馬的存在になってしまった。本当にかわいそうなのは誠くんです(笑)
原作だとルートによっては好青年な誠も存在するので、アニメは悪意のあるキャラ設定だったと思います。
誠とヒロイン達の立ち位置や心境の変化だけを見ていくと、その秀逸さには驚かされます。
僕自身友人に「純愛アニメだよ」と勧められ見てしまった経緯があるので、憤慨する方の気持ちも分かります。
でも勧められるがまま見ている間に「ん?なんかおかしいぞ」と気付くことは出来ると思います。
このアニメは『魔法少女まどか☆マギカ』みたいな初心者殺しとして勧められていることが多いようです。
どうか気を付けてください。もう見てしまった方はご愁傷様でした。