ろき夫 さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

ぱねぇす

劇場版ならではというか、まどマギならではというか
すごい気合の入った怒涛の映像の数々！
変身シーンの遊び心には思わず笑ってしまった(心の中で)
イヌカレーさまさまや！鹿目家の生活感の無さも相変わらずでw
やっぱりまどマギの映像だーい好き。これが世に言う眼福w

だがしかし！
そんな能天気に映像を楽しめるのも前半までだった・・・。

設定のインフレ状態w
小難しい言葉や小道具が飛び交い、ついていくのがやっとw

複雑になりすぎた感がある。
言葉の含む意味をやんわり解釈できるように頭の中で変換しないといけないが、それを要する作業が多すぎて疲れてしまった。
TV版も設定が凝っていたけれど、それに上乗せするもんだからその量は膨大なものw

最近の作品の傾向なのか、劇場版ヱヴァなり、化物語なり、シリーズを重ねるごとに複雑さを増していって素直に楽しめなくなってきている。ひねりすぎだおー。
そういうのがないとクリエイター魂に火がつかないとか？そんな感じなのだろうか・・・。
時代の最先端を走るアニメの宿命？・・・切ない。

疲れない程度の綺麗な映像と、それなりに楽しめる複雑過ぎないシナリオさえあればなんかいいや～と最近思い始めている分、なんだか微妙な心境に。
ひょっとして時代についていけてないのか・・・。
おかしいな・・・TV版ではもっと肩の力抜いて楽しめたきがする。

凝った設定に惹かれてまどマギを好きになったわけじゃないのになぁ。
だんだんかけ離れたところに着地していくような気がして少しさみしい。
この、初代まどマギとの違和感。
そこを掘り下げていくと、初代のときに感動した部分にも揺らぎが生じてくる。

{netabare}まどかとほむらの共に一途に思う気持ち。
自己犠牲とも言えるまどかの願い。
魔女の存在の否定。
これは、数々の魔法少女の魂の救済と、まどかを救うというほむらの願いも同時に叶えた、取り得る選択肢の中では最良のものだと、そう理解して感動した。
皆救われたのだと。あれはいい思い出。

でも、というかやっぱりそんな単純なもんじゃなかったのね・・・。
なんじゃこりゃーw　ぱねぇす、ほむら嬢の支配欲w
そういうオチだったんかい！ほむほむのバカー！
何が悪魔だよっ！メンヘラもたいがいにせいっw

共に分かり合っていて(のはずで)、皆救われた(はずだ)。
の、はずだ。が超展開の犠牲となって消え失せ、初代の持っていた含みの厚さもなくなってしまった。
実はすれ違っていた。というのは、一つの解釈に過ぎないはずだった。
けれど、それが明確なものとなってしまった。
そもそも虚淵作品に純粋な願いをかけたのはお門違いだったのかもしれない。
虚淵の仕掛けた最大のミスリードw
相手を間違えた・・・。ああ、私のソウルジェムが濁ってゆく・・・。

あのオチには思わず咳き込んだ。TV版でのあの感動を返せwww{/netabare}

でも抜かりのない映像、シナリオ、音楽、その他もろもろには払った金額以上の価値は十分あったように思える。
なので、大変満足できる作品だった。

しかし、この作品、レンタルして家でこたつに入って見ていたら眠くなっている可能性がある。理由は前述したとおり。
だから、勢いで見られる分、映画館で見たのは正解かもしれない。


というわけで、設定インフレが続く世知辛い世の中。

魔法少女の存亡はリリカルなのはに託されたのであった・・・。
あれぐらいがちょうどいいやw


ふぃん