ほったっる さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
新作にして超大作
ご存知、魔法少女まどか☆マギカの新劇場版です。
前回の劇場版が総集編であったとすれば、今回はその続編、もちろんテレビシリーズにおいても続編にあたる作品となります。つまり{netabare} まどかが円環の理となり、魔女の生まれない世界になったその後の話にあたるわけです。 {/netabare}
前半30分ほどは完全に今までの視聴者に対するファンサービスと位置付けられるでしょう。
{netabare}圧倒的作画と劇団イヌカレー異空間による演出、新OPでの謎の魔法少女ダンスからまたもや踊るような変身シーンまで。
そして「ナイトメア」なる新たな敵の倒し方がなぜかスイーツなやり方笑
人気のあったあの魔女もなぜかメンバー入り。
極めつけは魔法少女全員集合してマミさんが「マギカクインテット!」(※正確に覚えていません)みたいな決めポーズをとり、ティロフィナーレばりの中2っぷりを発揮。(むしろ正統な魔法少女ものなわけなのですが笑)
{/netabare}
典型的な「魔法少女」ものがそこに描かれています。
なんというか「こういう正統派なまどマギを見たかったんだろ?」という制作者のリップサービス的な心遣いが感じられました。
その後は一変してシリアスパートへ。
{netabare} 円環の理になったはずのまどかがそこにいて、魔法少女みんなの記憶もどこかおかしい。マミさんもさやかちゃんも確変が起きたのかというくらいのパワーアップ具合。そもそもこの見滝原市はどこかおかしい・・・{/netabare}
シリアスパートも佳境に入り、めでたく大団円。
{netabare}かと思いきや、まさかの大ドンデン返し!
これには度肝を抜かれました・・・・ {/netabare}
といった感じで、上映中全く時計を見なかったのですが、2時間とは言わず3時間くらいの映画を観ている気分になるほど充実した内容でした。
特に前評判が悪かったように感じられたので、私の中のハードルも十分に下がりきっている中、イシンバエワが棒ではるか上空を飛び越してしまいました。
{netabare} 確かにこの結末は万人受けする結末ではないでしょう。
どういう意図があったにせよ、結果的にまどかの思いを踏みにじるような形でまどかを円環の理から引きずり出したほむら。
確かに円環の理が作用し続け、全く問題がないのかもしれないが、さやかの憤りにも同感できる。
そしてなぜほむらはああも卑屈な表情に変わっていったのでしょうか。
やはり円環の理から救われきっていなかったのでしょうか。
自らを「神」をも超越してしまった「悪魔」と称する彼女は自らの目的のためにあそこまでしないといけなかったのでしょうか。
最後のシーン。最後の最後まで鬼畜っぷりを発揮したキュウべぇはほむらに完全に利用されてしまっています。
まさしく「叛逆」。高度な知能を持つキュウべぇはおろか円環の理という概念にすら叛逆するほむらの物語だったと納得がいきます。
万人受けはしませんが、私自身は何度も予想を裏切られて、先の読めない展開を純粋に楽しんでいました。
{/netabare}
と、我慢できなかった魅力の部分はネタバレタグで再三隠してきましたが、何事も本編の話しにつながっていそうでうかつにストーリーの紹介もできないっといった感じになっています。
声優については相変わらず素晴らしいです。
{netabare} 特に一つの映画であそこまで異なるほむらが見られたのは、ちわさんの力かと {/netabare}
音楽についてはいつもの二組で、これまた相変わらずのクオリティで歌声を聞かせてくれます。BGMももちろん素晴らしいです。
まどマギを既にご覧になっていて、本作品をご覧になっていない方は、記憶が薄れないうちに早くこの作品と出会ってほしいと思います。
映画館にお越しになれば、シャフトの独特の演出と劇団イヌカレーの幻想的な異空間を大迫力で感じることができますので、オススメです。