こたろう さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
薄くなった
前作にあたる2期、ローゼンメイデン・トロイメントが終了してより6年。
原作の出版社移籍などのゴタゴタですっかり諦めていましたが、満を持しての続編にあたります。
(続編ではないらしいですが、アニメを見る者としては事実上の続編といって差し支えないでしょう)
決着をみないまま色々伏線を残していたので、続きとなれば期待も高まります。
しかしまぁ、気の利いたサブタイトルの一つも考えられなかったもんでしょうか。
「新作」ってまた、芸のないことで。
一応、原作は英字表記の『Rozen Maiden』(コミックバーズ) → カタカナ表記の『ローゼンメイデン』(ヤングジャンプ)と、別の名前になってるそうですよ。だから新作。
あら?ふーん、そうですか?
知らんがな、そんなややこしい事情なんて!w
というわけで、ヤングジャンプ版の新ローゼンメイデンである本作。
”新”といっても続編っぽくなっています。
アリスゲームの行方と、各ドール達の状況は2期終了時点と大体同じようになっていて、本作で中心に描かれるのは、いわば並行世界での話。
物語の最初に真紅を受け取って、ネジを巻いた本来の(1期の)主人公であるジュン。
そして、そのときに「巻かない」を選んで、ローゼンメイデンを知る事なく大学生にまで成長したジュン。
この大学生のジュンが、「巻いたジュン」とローゼンメイデン達に関わっていく話になっています。
キャラクターの絵柄はアクが薄くなっています。
こっちの方が万人ウケはするのかもしれませんが、ローゼンメイデンはやっぱりアンティークドールの醸し出す妖しさが滲むような絵じゃないと、らしくない。
可愛いんですが、普通の可愛さなんですよね。
未視聴の方に言葉で伝えるのは難しいんですが、1期2期で見せていた「人形の怖さと美しさ」を兼ね備えた独特の雰囲気が希薄になっているので、ローゼンメイデンらしくないなぁ、というのが第一印象。
しかしドール達のキャラクター性は変わりなく、その点では良かった・・・というかホッとしました。
長年経ってすっかり忘れていたように思いましたが、各キャラが出てきて喋ると、嗚呼~やっぱりローゼンメイデンだなぁ、と思います。
絵柄もなんだかんだで、観て行くうちに慣れてしまいました。
決して満足したわけではありませんが。
内容は相変わらずというか、社会にちょっと不適合な主人公の内面を軸にして、ドール達に関わることで何かが変わっていくこと、つまりは主人公の成長を描いた話を中心にしています。
悪い話ではないですが、なんだか今更ってのが率直な感想^^
そういうのは1期~2期で散々観て来たので、勝手な言い草ですが、こちらとしては真紅達の話がみたかった。
ローゼンメイデンの宿命、アリスゲームの今後、ローゼンが何を意図して彼女達をそうさせているのか。物語の根幹や真相に近づいた話を期待したら・・・アラ?
と、肩透かしを喰らいます。
やり直しの新作って事なんで、そういう部分がもどかしい。
ともかく、
シリーズを通しての謎や伏線は回収することなく、いや、むしろ謎を増やしつつ本作は終了しています。
これで続編がなかったら、いいツラの皮。
6年待たせてこの内容なのは原作の事情を考慮すると仕方ないとして、次も数年後・・・というのは流石に勘弁願いたいものです。
そうならない、と言い切れないのが恐ろしいですが^^;