りんのす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
過大評価・・・私にもそう思っていた時期がありました。
9話まで正直この作品は悪いとは思わないけど、過大評価されすぎている感は否めないと感じていた。
理由は心理描写がリアルな分、主人公のじんたんが引きこもり登校拒否という現実世界ではクズとしか捉えられない人間であり、{netabare}なぜ父親は登校拒否を放置するのかという疑問や、メンマがいるということを周りが認めたところは集団パニックじゃん{/netabare}と、ところどころで現実に引き戻され上手く感情移入できず作品を楽しむことが出来なかったからだ。
加えて、作品観から外れていると思われる無駄なシーンや設定{netabare}(1話等のじんたんの欲情シーン、はるゆきの女装、安城のニックネーム……etc){/netabare}が、リアルさを生むためのものかも知れないが好きになれないと感じていた。
それはアニメをアニメとしっかりと割り切ることができていなかった自分の落ち度なのだが、見ている間は、登校拒否、引きこもり、ニートを経験している人には入りやすくて、受けたから高評価につながったんだろうなという考えまでしていた。
最終話をみたらそんな考えは吹っ飛ぶ。
10話ラストの{netabare}花火打ち上げ時の入野さんの演技{/netabare}から最終話ラストまで自然と涙がボロボロ零れてしまった。
レビューでは、少し泣かせることを意識しすぎて冷めてしまうという意見が少なからずあった。
実際私も{netabare}11話最初のみんなの懺悔からの鶴見、安城が大泣きし皆が一斉に泣き出す{/netabare}シーンはぐっと来ていたものが覚めてしまったが、そこで一息つけたことがラストまで感動できた要因かもしれないと考えている。
確かに物語進行としては間延び、遠回り、なんだかなと思うところが無かったわけではない。しかしぶっ通しで視聴しても飽きず続きが気になる作品だし、感動できる作品かと聞かれたら大多数の人は意識せずとも涙がこぼれてしまう作品だと答えられる。
詰まって詰まって涙が出てくる作品というよりはスーッと涙が流れてしまう作品。
こういう作風の作品で泣けたのは初めてだったので、見てよかったと思っている。
9話時点でも声優の演技、1人1人の心理描写が丁寧なので充分に楽しめる。
OP,EDの絵が印象深い数少ない作品であり、聞きなれたEDなのに入るタイミングが秀逸な回が何度かあり、そこでぐっときてしまうこともあり10話まで見ないと楽しめないなんて事は決してないと思う。
上から目線で言わせてもらえば、泣かせるアニメとしてはかなりの出来だと思う。