あにも さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
満足できる作品ではあったが、物足りなさもあった。 この企画で表現できるユーモアに監督のユーモアが達していない、というような物足りなさ。
「妖怪」や「舞台」、「新しい友達やご近所さん」など、魅力的なディテールを活かしきれていないと感じる。
とくに「妖怪」はもっといろいろ魅せられると思えた。個人的には『未知な存在』としての「妖怪」を見たかったので、人間味あふれるメイン3人の妖怪はピンとこない。
作画的にはある意味で最高峰。監督の意図に沿ったラインを外すことなくハイクオリティなまま全編描かれている。終盤、大平晋也パートでおもいっきり画が崩れたときは、逆に安心してしまった。
よく言われていることだが、太ももフェチだなぁとも思った。子供たちの遊び場になっている飛込み橋で、ももが手すりを乗り越えるときの太ももの変型がすごい。ものすごい弾力感。小学生なのにエロい。
沖浦監督の演出家としてももの手紙で表現したいものと、アニメーターとして表現したいものが、合致していないと感じる。パトレイバー以降の押井作品を支えたリアル系作画の旗手である沖浦さんの絵柄ではちょっと無理があると思う。
また、彩度を落とした絵柄なのも気になった。夏の華やかも不気味さもなく、なんというか平坦だ。同じく凄腕アニメーターとして有名な『電脳コイル』の磯監督も彩度低めなのは、偶然だろうか。
個人的に一番の収穫というか、楽しめたのは、瀬戸内の村の風景、狭い路地、古民家など背景。レイアウト・舞台設定がしっかりしている作品は安定感があるし体感度も高い。このクオリティで『たまゆら』を見てみたい。
いろいろ不満も書いたが、観れて良かった作品でした。