あにも さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
なによりも独特な作画スタイルが目を引く。ある意味、常時作画崩壊アニメ。 個人的には『どストライク』な作画。これが観れるだけで大満足。シルエット重視の陰影を廃した描き込まないスタイルで、芝居にリアリティはあるが絵柄はラクガキ(手抜きっぽいとか下手という意味ではない)のようにラフ。手足の長さや細さもころころ変わるし、シルエットが紙のようにゆらゆらしている。
また背景美術も美しい。ハイコントラストで夏の強い日差しが強調されている。陰っているところは本当に真っ黒でちょっと『不気味』に感じる。でも、木々や草の緑は鮮やかで『華』もある。夏という舞台の『鮮度』を落とさない見事な美術。
レイアウトは細田守作品などで有名な山下高明さんだったので、良くて当然と思ってあまり気にしていなかったが、パンフレットに記載されているものを見てゾッとした。これ全カットこのクオリティで描いたのだろうか?
『画』に関してはもう文句なしというか、大好き。原画集、レイアウト集、美術集、何が出ても買ってしまいそう。
物語に関しては、少し不満を感じた。いわゆるノスタルジーものでは終わらない作品を目指したのだと思うが、ちょっと展開に懲りすぎた感がある。もうちょっとシンプルに表現できれば良かったのだけれど。
状況説明的な台詞が多いのも気になった。
印象に残るシーンの多い映画でもあった。個人的には花火がツボ。山々の間に花開く花火という映像は、東京育ちな僕にはかなり新鮮な画だった。
エンドロールで、劇中では見たことのないカットが多数確認できた。もしかしたら上映時間の都合とかでカットされたシーンが多くあるのかもしれない。ディレクターズカット版のBDとか出ると嬉しいのだけど。