じぇりー さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「女」の本質を描いた作品。
男女の区別という意味での、ジェンダー的な「女性」ではなく―
昨今の「美魔女」なんてワードに代表されるような、「加齢」という誰にも等しく訪れるものにトコトンあがき続けたり、年甲斐もなく若い男にデレデレするような「オンナ」でもない―
この映画は「女」の本質を描いている。
キャッチコピーは「その愛は狂気にも似ている。」だったそうな。そう考えると…
男性 「(゜Д゜)マジで…、、、」
私 「あー、分かるわぁ…」
ってな感想になる。
女にとって初恋とはいつまでも色褪せぬものだけれど、だからといって、大抵その人一筋に生き続けるということは出来ないため、いつしかその想いを胸の奥にしまいこみ「鍵」をかけてしまう。
それがふとしたきっかけで、色鮮やかに蘇った時、少女の頃の胸躍らせていた自分を思い出して目を細めるのである。
{netabare} 「ああ、あの人素敵だったなぁ」ではなく、「あの時の私って、恋、してたなぁ…」と。{/netabare}
よく、化粧っ気もなく髪もボサボサ、服装にも頓着しない女性を「女捨ててる」なんて言うが、そうならぬよう、いつまでも「女」で居続けるためには、恋は最高のエッセンスである。
道ならぬ恋に走ることを勧めているのではない。過去の恋の記憶に思いを馳せたり、町で見かけた男性に「あら素敵★」と、ちょっと目がいく程度のことで充分。
心がいつまでも女でいられれば、女は年相応の美しさを内面・外見共に保つことができると思う。
それが千代子のような「女優」という職につけば、その効果やいかばかりか。
いつまでも恋しい人を追いかけることによって、純粋で瑞々しく、美しくいられた彼女が、銀幕のスターとなれたのも頷けるという話だ。
女って…怖いですか? こんなもんだと思いますヨ。