missing31 さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

ファン必見ではあるが、不要な蛇足。

アニメは所詮商売である。

TV版で美しく完結していたが、
人気が出れば当然こういった劇場版を制作する事になる。
そういった意味では、その制限の中で良作であると思う。

ただ、内容はTVとほとんど同じであると言える。
これは反論する人が居るだろうが…以下の様に考える。

この物語は「暁美ほむら」の苦悩と戦い、救済の物語である。

この点に置いてはTVも劇場版も相違は無く、
異論がある人はいないだろう。要は「救済」の解釈の違いである。

しかしながら、原作を楽しんだ人ならば是非観てほしい。

「まどマギって結局どういう話なの？」という質問に対しての答えは、
未見の人と視聴済みの人では、回答が変わる事は間違いない。

以下ネタばれ

{netabare}TV版では11話にわたって、ほむらの想いや苦労、苦しみ、悲しみ、切なさが描かれ、本当に感情移入しまくって泣いてしまったが、劇場版では、ちょっとウルッときただけだった。理由はほむらの心理描写の浅さ（単純に尺が足りない）であると考える。マドカの幸せはどこにあるか？と確かめた瞬間に花が枯れたりと細かい演出は良いのだが、ほむらの苦悩や苦しみが十分に描ききれないまま話は進んでしまう。ここで言う描き切れていないというのは「感情」の話である。TV版では最終話までずっと救われないほむら。何も出来ない雑魚から一生懸命に努力し、成長し、戦い方を覚え、決意して、絶望して、最後の最後に救われて、また前を向く。その感情の動きに視聴者は同調して感動する。劇場版では演出や脚本は「巧み」ではあるが、感情の描き方が不十分で、TV版ほどのカタルシスや感動は感じられなかった。{/netabare}