退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態：観終わった
沁みる
徹頭徹尾、オトコの世界・オトコの美学を巻き散らすギャング系アニメ。異形のバケモン相手に鉛玉を喰らわせるファンタスティックな側面も併せ持つ。台詞のある女性は4人くらいしか出てこない。義・忠・仁・勇・信などのヤバい儒教的行動様式をネタに起用した人情モノでもある。ヒトが頻繁に死にます。／感想 けっこういろんな場面で泣けた。{netabare}かつてブランドンが世話になっていた元上司の母親が眠る墓前でのやりとりはヤバかった。ああいう演出には弱い。世話になった恩を決して忘れないオトコ・アニキtheブランドン氏。氏はその義理堅い心持ちを言葉だけでなく行動を以て示すのであった。イマドキ「粋な計らい」によって恩義に報いることが成立する浮世離れした世界観には沁みるもんがあった。なかなかにしてファンタスティックである。まぁ泣けましたよココは。「成り上がろうとする人間（ハリー）vs 目の上の瘤（Bダディ）」の間で生じた組織内バトルにも見応えがあった。両者間で板挟み状態になりながらもその複雑なる胸中を黙して語らず、愚直に己が正しいと信ずる筋を通すことにのみ専念する凄腕の鉄砲玉・ブランドンthe兄貴。この三者の構図は解り易かったので、熱い人間ドラマの方に集中できた。実のところ、どいつもこいつも独自にミレニオンを定義しており、なおかつ極めて個人的な動機によってミレニオンの構成員をやっていた。といったネタばらし的な作品の締め方も悪く無かった。その方が人情ものとしての輝きが増すと思えるし、何よりも、沁みる。ところでボブは油で揚げたチキン "のみ" を喰い続けた結果コロリと死んでしまったワケだが、それでも彼が「自分らしく」生きたことに変わりはないだろう。斯様にして本作は、己の信念を貫く男達の散り際を刮目するアニメだと言えそうである。テメエの墓場はテメエで掘ってやりますみたいな感じであろーか。死んでも蘇って棺桶背負いながら再び死に場所求めて彷徨うなんてトンでもねえハードな生き様だよなァ（笑）。だから面白い。まー{/netabare}とにかく、頭からケツまでパウンドマックスに脂ぎった重厚な人情ギャングアニメであった。
