jethro さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
温泉で心を満たしましょう
高校二年の緒花(おはな)は母親の身勝手な夜逃げにより
東京から地方にある祖母が営む老舗温泉旅館の実家に預けられる事になった
仲居の仕事をしつつ学校へ通うことになった緒花は
新しい環境に戸惑いながらも働くうちに
この老舗温泉旅館「喜翆荘」(きっすいそう)の魅力に気付き始める・・・
女子高生たちの仲居見習奮戦記
ソープドラマっていう言葉をご存知でしょうか?
昼過ぎ、丁度、主婦が一休みするくらいの時間帯にやっているドラマの事を
アメリカなどではこのように言うそうです。
主婦相手ということもあって
スポンサーが洗剤や石鹸のメーカー中心となっているところから由来しているそうです。
日本では総じて「昼ドラ」とも言われます。
本作はまさにその「昼ドラ」
ある意味「アニメ」にする意味あるの?と思ってしまうような内容
意見が分かれるかも知れませんが
個人的には、やる意味アリです。
それどころか、仮にこれを実写でやっても気にも留めなかったと思います。
アニメで昼ドラ、いいじゃないですか!!
考えてみれば、このサイトでも絶大なる人気がある
「クラナド」も「昼ドラ」テイスト
これからも、この手の作品は増えていくだろうし
人気が高いジャンルになっていくと思います。
老舗の旅館ってとても魅力的ですね
緒花の気持ちがよく分かります。
丁寧に描き込まれた館内を見ていると
ドラマの内容とあいまって、ほかほかとした温かさが伝わってくるようです。
それは喜翆荘という、ひとつの家族の温かさです。
しかし、この物語で語られる家族は決して順風満帆な幸せ家族ではありません
どちらかというと、不幸かも知れません
でもなぜか伝わってくるものは「限りない幸せ」です。
これは個々の不幸な出来事の多さよりも
登場人物たちの心が満たされているからに他ならないのではないでしょうか
「心を満たす」って難しいですね
きっとここに出てくる人たちみたいに
歯を食いしばってがんばったり、思いっきり喜んだり、そして例えようもなく挫折したり
そんな経験を積み重ねた結果として「心が満たされていく」のかな
そんな風に感じさせてくれたとても温かな物語です。