こたろう さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
逆に考えるんだ、それもネタだろう・・・と
原作はWeb漫画だそうで。
その名のとうり、「帰宅部」というふざけた部を作っている女子高生達の、とりとめもない日常とバカばっかりやっている様を描いたコメディです。
見た目は可愛いですが中身はアホ。奇人連中の超くだらない会話とボケ&ツッコミのやりとりを楽しむ作品。
ネタも展開も色々と突拍子もない事の連続です。
会話が重要なのに『日本ナレーション演技研究所』なる声優養成所の協力(?)のもと、素人未満の演技力しかないキャストを調達して揃えるあたり、制作姿勢も突拍子もないですw
みなさんのレビューでも散々な評価ですね、この声優?達に関しては。
ごもっともだと思います^^
しかしまぁ、私個人としてはこの残念ぶりに、完全にしてやられました。(褒め言葉です)
観ていくうちにヘンなアドレナリンが出てきてクセになってしまう。
1話から3話ぐらいまでは、どうやって酷評してやろうかと腹を立てながらみてたんですが・・・・
もういいや、これで(・Д・)ノ
超ドヘタクソのシロウト声優モドキ達もネタなんだろ、きっと。
「ナレーション演技研究所って、全然研究の成果がでてねーだろ!」
とか、自己ツッコミでもしてるよ、たぶんコイツら
棒読み上等、滑舌悪いの上等、斬新な自虐ギャグだよコレw
とまぁ、内容がハジけすぎているために、普通の基準でみるのがアホらしくって達観してしまいました。
ここまでバカやられると、拙い部分やしょーもない部分も愛嬌というもの。
すごく不本意だけど、結局は気に入ってしまいました。
こんなバカアニメは大好物♪
ヘタクソ声優の件は置いておいて、ギャグとしては非常に冴えています。
バカな事をやる、バカな事を言う、そしてツッコミが入ってオチる。
ほぼこの基本形で進行しますが、ネタの幅がもの凄く広い。そこらに落ちている日常から何でもネタを拾います。部室でバカをやっている事が多いですが、キャラの行動範囲は広く、サブキャラ達とも良く絡む。
そして、登場するサブキャラもボケまくります。
笑いの内容は正当派のギャクからは程遠い、いわばナナメ下のお笑い。
パロディや楽屋オチ的なネタも多いですが、出展がそれほどマニアックではないため、わりと万人にウケる内容になっています。
「よく、こんなのを持ってくるなぁ」と、思う事もしばしば。
学校ネタにしても、文学から夏目漱石や太宰治を拾ってきたり、音楽からシューベルトを拾ってきたり、バカアニメのくせにえらく博学を思わせるチョイス。
そして、徹底的にアホなものに昇華してしまうのが、なんとも楽しいです。
また、思いつきで単発のお笑いをやっているようでいて、生意気にも伏線が散りばめられているのも小癪でイイw
タコワサなんて、どう考えてもその場の小ネタだと思ったのに、最後の方まで引っ張るんだもの、もう楽しい裏切りに満ちてます。
こんな作品なのにネタのリサイクル率が高いのは全体構成がちゃんとしてる証拠。
各話で全然違う題材を扱ったり作風を変えても、全然キャラクターや世界観がブレていないからできる技です。
地味だけどコレ、何気に良く出来ています。
荒唐無稽なギャクを連発する作風なりに、終始徹底してのんきな雰囲気を崩すことがありません。
ものすごい安定感。・・・・安定してバカですw
終わって振り返ってみれば、かなり楽しめた事に気付きます。
最初のひと口で物凄いアク(声優)があってゲロマズだと思ったけど、素材の味が気になって噛み続けていくうち好きになった・・・そんな珍味のような作品でした。
珍味というか、悪食に近い気もしますが^^;
スタート地点が物凄く低い水準だったため、たった1クールですが、声優の目覚しい成長ぶりがご堪能頂けるという他にはない楽しみ方もできますぞw