とすかねり さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これからの正義の話をしよう。
*ストーリー
原作を尊重しつつ、ストーリーの動線を確保するようにプロットが書き換えられている。個人的には、原作もアニメ版もどちらも好きだが、それは原作を壊さない上で、巧く回しているからだと考えられる。
日常系で、基本的に山無し落ちなしといった構成だが、それがいい。最終的に優しい気持ちになれるのは、アニメ版の特徴かもしれない。基本的に伊藤家の部屋のシーンで信仰されるが、それなのに見たくなるこの感じがいいのである。
キャッチコピーは「かわいいは、正義!」。とにかくロリがかわいいということを前面に出し、世の大きなお友達を震撼させた名作であろう。
ということで、特段の不可も無く☆4
*作画
作画自体は内容と相俟って、パステル調と言いたくなるような柔らかい作風である。崩壊するようなものも無いし、兎に角「かわいいとは何か」を永遠に追求し続ける作画と言える。
未だにアナちゃんの「ぐぬぬ」がネタ画像として使われる点からも、この作画の良さが後世に残るものだったことが分かる。
☆4で。
*声優
現在、中堅~ベテランとされる声優が軒並みと言った感じである。作品の性質上、声優の数が物凄く少ないが、故に個々人の能力の高さが光る作品ともいえる。流石としか言いようがない。
☆5
*音楽
OPは一度聴いたら忘れられない名曲(迷曲?)だろう。一方でEDは柔らかいタッチで、本作のアニメ版の「ほっこりするオチ」に非常にマッチしている。また、途中のBGMも、パステルタッチの柔らかい耳触りで、心落ち着く曲になっている。
☆4.5
*キャラ
「かわいい」とは斯くあるべし!といったキャラクターである。4人の幼女のかわいさに心奪われる作品といって問題無い。
何も語るべきことがない。☆5
*総括
中身は一般に「日常系」と呼ばれるそれだが、本作の日常性はおそらく新しいものであったと思う。
所謂日常系の意義とは、いかに山場の無いままに面白さを構築するかだと思われるが、基本的な方法は、キャラ間の掛け合いが全てである。キャラ同士がいかにおもしろい掛け合いをするかが問題であり、それはお笑いのコントに近い。
一方で、日常系の難しさは、山場がない・目的がないからこその「だるみ」や「飽き」である。これを回避する為の一般的方策は大きく分けて2つある。
第一に、イベントのある場所を舞台とすること。即ち多いのは学校である。例えば、『あずまんが大王』や『けいおん!』がそれである。しかし本作は伊藤家を中心に基本は動かない。これは非常に難しさを孕む。
第二に、キャラ数を増やす事である。例えば『みなみけ』がそうで、学校の友人を中心に登場する人間を多めに設定することで、絡みのパターンをふやす。しかし本作は5人が固定である。
こうした特殊性は、例えば『生徒会の一存』や『じょしらく』に継承されている。即ち、基本的に動かないキャラを少人数で同じ場所に閉じ込め、キャラ属性とかわいさでごりおしするという戦略である。
「かわいいは、正義!」とはよく言ったもので、まさしくかわいさがあれば、作品を作れるということを証明したことに、本作の意義がある。