「TIGER&BUNNY [タイガーアンドバニー](TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
3364
棚に入れた
17309
ランキング
156
★★★★☆ 4.0 (3364)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

タイトルなし

「つまんねぇ……」と言うようなものは何一つなく、同時に、「これ面白いなぁ!」と言えるものも何一つない、なんとも微妙さだけが印象に残るヒーローモノでした。
本作はヒーローアクションだけど、ヒーローモノとしても、アクションモノとしても、いかんせん地味。これに尽きる。

本作でまず注目されるのはその世界観。ヒーローにスポンサーがついており、ヒーローは社会的に一つの職業として組み込まれている分、なにかと制約がついてまわるという設定は面白い。
が、その面白さも3話まで観ると見慣れたものになってくる。そうすると、実は〈迂闊に街に被害を与えたりできない〉とか〈文化遺産は壊してはいけない〉といった細かい点以外は、普通のヒーローモノと大した差はなかったりする。ヒーローの活躍をテレビ中継する程度なら珍しくない。

ポイント制で優勝争いしてるんだし、そこら辺をもっと活かしても良かったと思うんだけど、残念ながらそれらの設定がいまいちキャラに反映されている気がしない。成績が悪ければ首がかかっていて、しかもスポンサーがいなければヒーローとして碌に認めてもらえないんなら、もうちょっと必死さはあっても良いと思うんだ。例えば、バーナビー以上のポイント主義ヒーローとか。
なんというか、〈この作品ならではのヒーロー〉というものがない。

本作はウロボロスを追うという大きな物語を幹にして、個々のヒーローにスポットを当てた回を描いていく……はずなんだけど、それが出来ていない。で、結果として虎鉄とバーナビー以外のキャラが非常に弱いものとなってしまった。
1話完結のエピソードで何が大事かって、ちゃんと盛り上がれる場面を作れているかだと思う。で、その盛り上がるところといえばやっぱり、ヒーローの活躍シーンでしょう。
で、1話完結でサブヒーローにスポットを当てた回なら当然、その内容は〈キャラの魅力を描く〉こと。

が、本作はそれが出来ていないように感じる。
ヒーローのアクションに、とにかくときめくものがない。
少なくとも僕が1クール観て抱いた印象は、キャラとしての魅力は悪くないけど、ヒーローモノとしてはダメだなぁって感じです。
主役である虎鉄とバーナビーはともかく、彼ら以外のヒーローはほとんど全員がそれ。
中年に恋してしまった現役女子高生のカリーナとしての魅力はあっても、女王様キャラとして振る舞うブルーローズには魅力がなく、強面だけど気遣いができて人格者であるアントニオには魅力があっても、肉体強化を扱う猛牛戦車ロックバイソンとしての魅力はなく、男にも女にもなれるネイサンは良き人格者ではあるがヒーローとしては……だし、ボクっ娘なホァンには可愛らしさがあっても、雷を操るドラゴンキッドとしてのカッコ良さは弱い。
大体がそんな感じ。ダークヒーロー枠であるルナティックにしても、出てきたはいいけど何がしたいのか分からないキャラだし……。虎鉄ともバーナビーとも対を成すこのキャラを活かさずにどうするんだ……;(前半のエピソードを盛り上げる装置としてしか機能していない)

本作一番の欠点を挙げろと言われれば、僕は迷わず「脚本」と答える。
全体的に盛り上がりに欠けて、しかもツッコミどころが少なくないからだ。
虎鉄とバーナビーの能力は身体能力が100倍にパワーアップするというものだが、そのワリには打たれ弱いしバイクは追い越せないしルナティックの顔面を殴っても仮面にヒビがいく程度だし(かすっただけならともかく。しかも虎鉄はルナティックを捕えるつもりだったんだから、手加減するといってもあれは手加減ってレベルを超えてる)、能力の凄さが伝わってこないんだよな。まぁ彼らは演出に恵まれている分、マシな方なんだけど……。

ブルーローズもショボイし、ファイヤーエンブレムはその能力の高さを描かれる前にルナティックが登場しちゃったせいで凄さが伝わってこない。なんせパワードスーツ一体も焼き壊せないんだもの。(かと思えばジェイク戦終了時にはそれまでの苦戦がウソのように一掃してるし)
ホァンはスポット回以外は一言二言喋るだけのモブ同然。スカイハイはキングであるながらジェイク戦では風でジェイクのバリアーを防ぐなどといった応用を一切使わずいいようにやられるだけ。ロックバイソンにいたってはネタにしかならない。
こうした、とことんヒーローの魅力の表現を放棄した脚本のせいか、僕はまったく楽しむことができなかった。(キャラクターとしての掛け合いは好きだけど)
例えば14話とかなら、虎鉄への想いが恋なのかどうか悩んでいる時にバッグを盗まれて、涙する自分に恋を自覚し、能力を全開にして自分でバッグを取り返すとか(交通網を凍らせて一時的に麻痺させる)、それぐらいしても良いと思う。その時に犯罪者へ思いっきり罵倒とかしまくって市民からの人気が更に高まる、とか面白そう。

せっかく他のヒーローにスポットを当てても、結局虎鉄やバーナビーが前にきてしまうので、いつまでたっても中途半端な魅力しかない。
とくに本作は、作画のその多くがCGで描かれている。なのでヒーローの躍動感は、どうしても手描きに比べて見劣りしてしまう。(動きは手描きより良くなるだろうけど、躍動感だけは手描きに劣るのはどうしようもない)
なのでアクションシーンは頑張って欲しかったところなんだけどなぁ……。
一人のキャラだけで一本のお話を作れないなら、二人を絡ませたエピソードとかあっても良いよね。

投稿 : 2015/08/14
閲覧 : 159

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