シェリー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちはやふる。その強きこと
「競技かるた」というあまりメジャーではないものを題材にした
友情や恋愛などを描いたとっても面白いやつの二期です。
二期はどちらかというと試合中心でドキドキハラハラの連続です。
じっくりと、じっくりと試合を追っていきます。
相変わらずの素晴らしいクオリティで、
試合の緊張感やそれぞれのキャラに対するイメージも映像としてよく表現されていました。
なかなかみごたえのある『ちはやふる』二期です。
原作を描いている末次さんは、この漫画を通し言葉にしにくい感情や感覚を
登場人物の台詞や絵を通して本当によく描いていると思います。
それはまるで畑の深くから掘り出してきた、まだ土の付いたジャガイモのよう。
鉄よりも固く、頑固で、とてもゴツゴツしているけれど確かに自分の中にもそれがちゃんとあるんだな、と
僕たちは『ちはやふる』を通して知ることができるのだと思うのです。
アニメ化が待てず、この続きの単行本を買っちゃうくらい好きです。
{netabare}
終盤の新と詩暢の一戦にはアニメで感動しそんで漫画でもまた感動するくらい良かったです。
でも僕としては一番良かったのは真島です。末次さんも彼を追い込みに追い込みますね。
そして壁にぶち当たる度に原田先生の声を聴く。
それはあるべき道を示した標識が風に煽られて何かを諭すように音をたてる。
「青春全部かけたって強くなれない? かけてから言いなさい。」
この言葉は非常に重いです。
教え子のかるたに対する気持ちの熱源ともなる言葉を言うべきタイミングで言った原田先生は素晴らしい先生です。
もちろんそうやって描いた末次さんもすごいです。
しかし個人的に一番ビビっときたのは
確か一話の最後だったと思うのですが、真島と花野さんが同じ電車に乗ったときに彼が言ったひとこと。
「男が女に選ばれてどうすんだって思う。俺は選んで頑張るんだ。」
恋愛の価値観がぐらぐらな僕にとっては衝撃的なひとことでした。
それにこの言葉は真島にとってこの先処理しなければならない無数の苦労があることを厭わない、
その決して後ろを振り向かない覚悟の表れそのものでした。
不遇なかるたや新のことを考えるとその重みがより理解できます。
かっこいいです。ホント頑張ってほしいです。
これから先も大いに期待して観ていきたい作品です。
{/netabare}