三崎鳴 さんの感想・評価
3.7
物語 : 5.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間の醜悪さへの問いかけ
貴志祐介作小説「新世界より」を原作としたアニメーション作品。原作は第29回日本SF大賞受賞作品。あらすじは以下の通り(wikipediaより引用)。
1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく――
ジャンル区分としてはホラーとSFの中間。世界観・設定の作り込みが深く序盤から魅入られる。しかしこの手の作品にありがちな難解な展開を唐突に突きつけられる為1話/2話から視聴断念する者も多く、又、作画/絵コンテの崩れが目立つ個所が多々あり、評価を下げたように見受けられる。良い作品は話数を重ねるごとに旨みが露呈し加速していく感覚が味わえるような特徴がある、とこれは個人的な観念だが「Steins;Gate」や「無限のリヴァイアス」など高い評価を得ている作品は決して1話や2話から展開が速いわけではないが、後半へと進むにつれて全体構造が見えてくるそのプロセスから評価を上げることとなった。この「新世界より」という作品も同系統の作品であり、最終話まで失速する事はなかった。おそらく視聴者を選ぶ、賛否も分かれる作品ではあるだろうが自分にとっては深く余韻の残る名作だった。