景禎 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ふ、不愉快です
京アニ関連の文庫から出版されているラノベのアニメ化作品です。
世界には人間と妖夢(妖怪のようなもの? まどマギの魔女に相当するような存在でもある?)がいて、両者の間に生まれた半妖というのもいる。妖夢を狩って得た妖夢石を鑑定士に売って生計を立てる異界士という職業(種族?)もある・・・という設定。しかも学園日常ものです。
主人公神原秋人は不死身属性を持った半妖で、ひょんなことから血を操る異界士、栗山未来知り合った。地元の異界士を束ねる名門、名瀬家の異界士、名瀬美月とその兄博臣、その他諸々でなんだかんだする、という物語。
ファンタジー系のアクションバトルものです。萌え系でもあります。萌え要素としては、妹属性、めがね属性、年増属性(?)、様々な属性を満足させてくれます。少し寒いですがギャグでもあります。学園ラブコメのようでもありますし、シリアス展開のストーリーものを目指しているようでもあります。このあたり、いったい何を狙っているのか分からない作品になってるように感じます。
ただ、さすが京アニ。女の子の仕草のかわいらしさを描かせたら天下一品ですね。この作品にも女子高生から年増女まで、様々な女性のかわいい(または色っぽい)仕草や表情が堪能できます。
もう一つの京アニの得意分野であるファンタジー系バトルシーン。これも随所にちりばめられており、ヌルヌル動くかっこいいバトルシーンをおなかいっぱい楽しむことができます。
しかし、全体的にわかりづらいところが多い、というか、1話目からしばらくは「これ、何やってんの」的な感覚で、切りか?継続か?の選択肢が常に目の前にぶらさがった状態でした。女の子のかわいい仕草とヌルヌルバトルシーンという京アニの得意分野を鑑賞するだけが目当てで視聴を続けたというのが、私の率直なところです。
原作が問題なのか、脚本が問題なのか、構成の問題なのか、原作未読の私にはわかりませんが、どうもそのへんに原因がありそう。10話目ではじめてナゾめいたものが一部氷解し、1話から続いていた濃霧のような見通しの悪さが少し解消、ストーリー的にもおもしろくなって来ますが、時すでに遅し。ちょっと引っ張りすぎではないですかね~?中盤に風船型の妖夢の前で踊るという、軽いノリの回がありましたが、そんなのやる暇あったら少しでもお話しを進めておいたほうが良かったのでは?
全体的に、ギャグがやりたいのかシリアスがやりたいのかわからない。シリアス展開の真っ只中に滑り気味のギャグが入ったり、寒すぎました。ヒロインの栗山未来と主人公の神原秋人の関係はボケとツッコミだと思うのですが、その割りに絡みシーンは少なかったし。キャラも多めで、皆さんかわいいので誰が誰だかわかんない状態が長く続いたのもツライですね。
と言うわけで、お勧めというほどでもないけれど、京アニの得意な分野を堪能できるという点では、見て損はない作品。ただ、10話以降は萌えやバトルシーン以外にも十分楽しめたので、ここまで我慢して見る覚悟があればお勧めかも。
音楽も、OP、EDともに良ですし。