こたろう さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「ガッチャ」って合言葉、必要か?
アニメオリジナル作品。
タツノコプロが誇る往年の名作「ガッチャマン」の名を冠する、現代版のガッチャマン・・・と、言っていいのかどうか。
謎の宇宙人から選ばれ、特殊な能力を授かった若者達が、人々に仇なす敵と戦ったり、事故や災害から人助けしたり。
いわば正義の味方をやるお話です。
何はなくとも、本作の魅力は主人公。
超マイペースで何に対しても物怖じしないハジけた不思議ちゃんといった印象ですが、天然ボケというわけではなく、決してブレないパーソナリティと独特の個性を持った女の子です。
物語は彼女がガッチャマンに選ばれるところから始まりますが、後発のド新人である彼女に引っ張られ、影響されて、他のガッチャマン達も変わっていく。
流れを要約するとそんな内容です。
とにかくポジティブで前向き。何も考えていないようでいて、ものすごく本質に近いものをズバッと見通している利発さも備えています。
第一印象は天然バカのウザキャラですが、視聴が進むにつれて彼女の良さが顕わになっていく構成。
そんなところが痛快な作品です。
キャラデザは結構特徴的ですが、作画は良質。
喜怒哀楽の表現がいい意味で大袈裟でキャラクターの魅力を後押ししています。
バトルシーンはそんなに多くはないですが、流石に老舗のアニメ製作会社と思わせるCGを使った映像はとても滑らかで戦闘に華を添えています。
それぞれの個性が違う「Gスーツ」も奇抜さが出ていて素敵。
ただ、やっぱり変身したガッチャマンの出番が随分少ないのが不満といえば不満です。
ストーリーそのものはオーソドックスですが、扱っている題材が面白い。
スマートデバイスを使ったコミュニケーション、いわゆるSNSの利用者が物語に大きく関わりますが、ネット社会独特の陰と陽、それが事件を起こし、また事件を解決する・・・そんな内容です。
単にSNSを害悪とせず利点は利点として、でもSNSが常に孕んでいる危険性にも触れている、そんな社会派の問題を入れた匙加減が良く出来ています。
理想と現実。
人々の善意と悪意。
相互扶助と無軌道。
自己犠牲と自己顕示欲。
我々にも思い当たるような大衆心理をドラマにしてあって、テーマ性がわかりやすい。人物の心理描写も丁寧にされていおり、共感して感情移入するもの容易。
全体的に無駄なくテンポよくできていて、終始飽きがこない内容でした。
総括して、非常にバランスがとれた良作と評していいでしょう。
バトルものというよりは、人間を描いた描写が多く、万人に受け入れられる内容です。
序盤で主人公のキャラに引いてしまう人が多いと思いますが、投げないで最後まで見て欲しいです。
オススメ。
以下、ちょっと毒吐いてみます^^
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ぶっちゃけてしまえば、「ガッチャマン」である必要は無い本作。
科学忍者隊ガッチャマンとは、作風もコンセプトもガッチャマンの戦闘スタイルも全然異なっていて、共通項を見つける方が難しいです。
固有名詞に「総裁X」「ベルク・カッツェ」などを使用していますが、これもオリジナルとは程遠く必然性が皆無。
「ガッチャ」という掛け声や、「バードゴー」という変身セリフ、「○○を守る翼」などの口上にも違和感があります。
だって、鳥とは関係ない格好してるじゃん?君らw
初代の中の人(森功至)を起用したりして、何とかガッチャマンとの繋がりを持たせようと四苦八苦していますが、正直「クラウズ」という名前のオリジナルアニメで充分。
というか、その方が自然。
なぜガッチャマンになったか、もちろんその真相は我々にはわかりませんが容易に想像がつくことはあります。
主人公のはじめちゃん風に言えば・・・・
ガッチャマンっていうタイトルに必要性?
そりゃもちろん、あるっす。
プロデューサーさんが言ってました
「実写映画やるんだから、TVアニメも宣材だよ、宣材」
「日本テレビ放送網開局60周年記念だ、この映画はコケられねぇんだよ 」
「松坂桃李や剛力彩芽まで引っ張ってきてるんだ、ダメだったら首が飛ぶぞ」
だからぁ、仕方ないんっすよ。
ボクらの名前くらいで人助けできるなら、いいんじゃないっすか?
なーんか、その映画見た人は失望してるみたいですけど~
ボクたちはボクたちで、2期を頑張るだけッスよ!ガッチャ♪