千秋録 さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
胡蝶の夢から抜け出す結論とは…
現実と非現実の可換性を示唆する「胡蝶の夢」という語で真っ先に思い出されるのは『うる星やつら2:ビューティフル・ドリーマー』だが、この作品を観てしまったらこの作品も外すことができなくなってしまうだろう。
作品としては、映画「マトリックス」的な終末世界と仮想現実空間を背景に、ロボットと青春恋愛を題材として、「生きているとは?」という問いかけを主人公が繰り返す作品である。バトルシーンについてはバンクが多く、作画の動きに期待するような人には向いていない作品かもしれない。
第1話アバンタイトル部分の内容が完全に理解できるのが第20話過ぎてからというほど面倒な作品ではあるが、その分、SF的な設定は練られている。もっとも、水泳部復活に関するエピソードは、水着シーンサービスだけのための設定のようで、突っ込みどころ満載である(笑)。
声優については、ヒロイン・守凪了子が「棒子」といわれるほど花澤さんの演技が初々しいが、個人的には井上麻里奈さんの方が無理して演技しているような気がする。
最終的に主人公キョウは「生きているとは?」ということに自分自身の結論を見出す。それは恐らく、この主人公と同じような戸惑いや疑問を持つかもしれない視聴者に対して、制作者サイドからのメッセージとなっているのであろう。