千秋録 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
取り扱いが難しい内容の異色な作品
原作小説および実写ドラマなど他のメディア作品は未視聴でアニメのみ視聴。アニメは登場人物やエピソードにかなり脚色が加えられているそうだ。
内容は精神科医・伊良部一郎の元を訪れる患者たちに対して、伊良部が治療だか単なる趣味だか不明な行動をとる。それが結果的には、患者たちの問題を解決することにつながる…というエピソードをオムニバス形式で描く。各話は2009年12月の同時期に並列的に進行し、エピソード・登場人物の交叉が各所にある。
実写を取り入れた作画や、主要人物の性格のデフォルメにはかなり癖がある。顔出し出演となる各声優さんは役を受けて良く演じきったと感心する。伊良部(中年&青年の形態)役の三ツ矢雄二さんも、エキセントリックな演技でかなりいい味を出している。
各話ともいわゆる「癒し」とは異なる感覚ではあるが、キャラの症状が回復する過程で視聴者にも「解毒」的な作用があるように感じた。その纏めが最終話「カナリア」の結末部に示されているのであろう。
OP/EDを電気グルーヴが担当したのも、この作品らしくて良い。賛否が分かれる作品だろうが、個人的には高く評価したい。