E4GLS さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
納得の大団円。素晴らしい作品をありがとう!
一人前のウンディーネを目指す少女たちの緩やかな成長と日常を描いたARIAシリーズの集大成。全3期中の3期に当たります。
今までも疲れた心を癒す名作として十分な存在感を発揮していましたが、本作はそれをさらに上回る出来だと感じます。ややネックだった人物作画の不安定さは解消されており、何より1期2期を通してARIAシリーズの世界観を理解したからこそ味わえる、感動的なストーリーが展開されることが素晴らしいです。
悲劇的な過去を持つ主要人物がいたり、主要人物や世界が何らかの理由で危機に脅かされているといった設定ならば、それ自身が感動を引き立てる手助けとなります。しかしARIAはそうではない。このシリーズで本当に感心させられる点は、そうした手助けなくやや甘酸っぱい日常の描写のみをベースとした純粋な感動を味わえる点にあります。
{netabare}思うに水の三大妖精の庇護の元、弛まぬ努力を続けてきた灯里たちに明るい未来が待っているのは当然の帰結と言えます。そんな想定内の展開で感動を与えられるということは、主要人物の心理を矛盾なく丁寧に描いた賜物なのだと思います。
努力の人の晃や藍華はさておき、明らかな強みを発揮していた灯里・アリスや、いまいち人間味が感じられなかったアリシア・アテナに当初は感情移入が難しかったです。しかしそんな彼女らもそれぞれの観点からプリマウンディーネになりたいという切実な想いと困難さを実感していて、また先輩の立場から後輩の幸せを心から願っている心情が吐露されていて、作中後半の展開に合点がいきました。
グランマからアリシアへ、アリシアから灯里へ、そしてアイちゃんへ、時は流れても豊かな心は受け継がれていく。できることなら、ずっと彼女たちと一緒にたくさんの素敵と出会いたかった。そう思わせるほど素晴らしいストーリーだと感じました。{/netabare}
アニメの視聴を始めて日が浅い私ですが、こんなに素晴らしい作品と出会えたことは喜びです。3期という長期間を経てもクオリティが全く低下することのなかった名作。制作してくれて本当にありがとう。