yuala さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
紡がれていく、出逢いと別れの物語。
この外伝は全3章からなります(正確に言うと外伝の特別編も後から制作されましたが…)。
桜雲の章…悟空と、金蟬(三蔵)・捲簾(悟浄)・天蓬(八戒)の出逢いの話から、逃亡劇の前となる立てこもりまで。4人は下界への亡命を要求するが…。
散華の章…いよいよ逃亡劇が始まり、下界に行くことのできるゲートを目指して進んでいくが天界軍の厳しい…。4人は途中う謎の部屋に辿りつくが…。捲簾が道を切り開くために囮となり…。
萌芽の章…悟空と金蟬を地上へ送るため、天蓬が囮になり…。
残された2人は迷っている時間もなく、下界へと続くゲートへと走るが…。
そして、「最遊記」と言う物語で、悟空は500年の間岩牢に閉じ込められていたが、そこへ三蔵が訪れ…。
長い時空を超えて、悟空は玄奘三蔵と出逢う…。
この話は、冒頭にコミックスの前半部分が、キャラクターの相関図程度にしか描き切れていないので、観るならば、原作を読んでからにした方がいいと思います。
原作でご存知の方には、切なくて泣ける物語だと思います。
原作者の峰倉先生が自ら監修されているようなので、とても美しいアニメです。
音楽も美しいです。KOKIAの歌う「桜の下へ」「光の方へ」がしっとりしていて、この作品に色を添えてくれます。
まあ、4人は記憶はないもののまた巡り逢うので、そこは安心して観ている方もおられるかと思います。
ただ、前世での3人と悟空の生き様みたいなものがかっこいのです。
セリフ一つ一つに重みがあります。
私事になりますが、
ああ…自分もこんなこと思うよな…と言うセリフがいくつかあります。
悟空を抱える金蟬に、菩薩の「後悔するなよ」と「…ああしねえよ」
金蟬の悟空に言う「迷惑なんだよマジで 何に代えても 俺はその手を もう放せなくなったじゃねえか」
最後の晩、天蓬の「――本当はね、なんだっていいんです 憶えていてくれるなら どんな事だって」
とか、私は生きて来て思うことがあります。もうお付き合いが無くなってしまった中学の親友とか、恩師とかに…。
そして、今もお付き合いのある親友とかにも…。
皆さんはありませんか?大切な出逢いと、別れと…
後、例え、転生した姿で巡り逢えたとしても、やはりあれは別れなのです。金蟬は金蟬でしかないし、天蓬も天蓬でしかないし、捲簾も捲簾でしかない。
、三蔵も悟浄も八戒も天界での彼らではない。
サヨナラはサヨナラ…。
そしてまた新しい出逢いが絆を紡ぎ始めるのだと私は思いました。