青陽 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
楽しく、時に切ない かけがえのない時間
薄暗い室内、窓から差し込む熱い夏の光、
季節を表すようにあっという間に駆けていく物語…
細田守は夏の香りを巧みに描く。
時かけでもそう。
青い春に夏は欠かせない。
誰もが経験した淡くかけがえのない季節。
この映画を見た誰もがセンチメンタルになるだろう。
きらやかな青春ストーリーに絡み合うSF要素。
真琴のタイムリープの使い方は実に可愛い。遅刻を免れたり、カラオケに入り浸ったり、抜き打ちテストの対策をしたり…人柄を表す純粋さ。
もし自分があの力を手にしたら間違いなくロト7の抽選番号をチェックする!6ではない、7をだ!
しかし、真琴は純粋。
楽しいこと辛いこと、いろいろな経験をして真実を知って
そして最後に時を超えたのは
大切な彼のため
そうしたら、その人が居なくなるとわかっているのに…
ここで流れる「変わらないもの」がまたいい曲なんだこれが。
ラスト
個人的に一番の名シーン、そして名セリフ
「未来で待ってる」←くっそカッコいい!
「すぐ行く、走って行く」←ピュアかわいい!
頭をぐいっと抱き寄せて
キスするのか!?と思わせたところで
このセリフのやり取り…ええ、見事にやられましたよ。
きっと世界中がキュン死した瞬間です。
…しかし、真琴が生きている時代にタイムリープが開発されることは…
ない、だろう。
ガーネットの歌詞からしてもお互い分かっているはず…もう会えないってこと。
寂しさで泣き崩れてしまいそうな真琴を千昭が励まし、彼女はそれに応えた。
そういうことか?
いいや、きっとそれだけじゃない。
カタチは違えど再会できる、と私は想像する。
……
…
この先、真琴は
叔母に助けてもらいながら
美術に関する知識・技術を学び
千昭が見られなかったあの絵を大切にするだろう。
保存・管理を行き届かせ、未来に遺すため
「千昭がすぐに見られるように」
元の時代に帰った千昭は
そこで
自分が知っている歴史とは違い
絵が現存していること、そのために尽力した人物のことを知り、そしてフッと やさしく微笑むだろう。
時をかけて
絵画を介して
二人は再会する
……
…
そんな空想をしてる間に
夏はまた駈けてくるのです。