青陽 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オラ、早く大人になってキレイなお姉さんとお付き合いしたい!
しんちゃん映画の中でも特に傑作との呼び声が高い作品。
子どもの付き添いで観に行ったはずが、逆に自分のほうが惹きこまれてしまう親が続出したそうな。
それもそのはず!
この時代を知らない平成生まれの僕でも、なんか良いなーと感じるのだ。昭和を生きてきた人は尚更だろう。
作中の大人たちが皆心奪われてしまった古き良き昭和の懐かしい香りが、画面を通して漏れ出していてもおかしくない。
そんな「昔」に囚われる大人たちを救うため、かすかべ防衛隊が立ち上がる。
作品は後半になるにつれシリアス度が増すが、スナックでのコントや、みんながバスを運転するシーンなど
前半のかすかべ防衛隊のやり取りはこっけいで面白い。
そして、ひろしが我に返るシーンでこの作品は最初のクライマックスを迎える。足の臭さで懐かしい匂いを打ち消すという、ひろしならではの解決法で笑いを誘うかと思えば
その後のひろしの回想シーン→しんのすけ「父ちゃん、オラがわかる?」
…BGMの良さも含め、このシーンの完成度・感動度はスゴイ!
智也と汐のひまわり畑のシーンに並び、親子の絆を感じさせる名場面です!今でも感動するんだから、家庭を持ってから観たらやばいだろうな…。
そして真のクライマックス。
イエスタデイ・ワンスモアの野望を止めるため、大人になりたいしんちゃんが階段を必死で駆け上がるシーンには胸と目頭が熱くなった。普段はお気楽なしんちゃんが転んでも転んでも一生懸命走り続ける姿は、作画とBGMの素晴らしさも加わってモーレツな感動を与えてくれる。
ヒトはどうしても過去を美化してしまう。
昔の○○は良かった、あの頃は楽しかったと……時には後ろを振り返ることも大切だけど、それに囚われて今や未来を見失ってしまうのは悲しい。
早く大人になりたいと思ってた子どもの頃の気持ち、大人になって忘れてしまった人は多いんじゃないだろうか。
そんなミライに対する希望を思い出させてくれる素敵な作品です。