プラ さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
見応え充分。
1話見ると次が気になってしかたなくなって、次々と見てしまうような作品。一気に見るのがオススメ。
アニメの舞台は「エリア11」。神聖ブリタニア帝国に占領されたむかしの日本である。神聖ブリタニア帝国では日本という国はもちろんのこと、日本人は民族として認められておらず、「イレブン」という蔑称で呼ばれている。エリア11では、帝国に虐げられることをに耐えられないイレブンたちのレジスタンスが、日本を取り返すべく抗争を繰り広げていた。
主人公のルルーシュは、アッシュフォード学園に通う生徒。彼はブリタニア人であり、そのうえ王族の一人でもある。しかし、王族にありがちな権力闘争(かな?)に巻き込まれて親族を亡くしており、あまり帝国に対して良い思いを抱いていないようであった。親族を亡くして以来、視力を失ってしまった妹・ナナリーとともに平穏無事な暮らしを送っていた。
そんなある日、ルルーシュはとある事件に巻き込まれる。レジスタンスがブリタニアの「秘密武器」を奪って輸送していたトラックが倒れたところに助けに行ったルルーシュであったが、そこで謎の緑髪の少女に出会う。ここから物語が、世界が動き出す。C.C.と名乗る彼女から「ギアス」という特殊な能力をもらったルルーシュは決意する。愛する母親を殺し、ナナリーの心に深い深い傷を負わせたブリタニアに対する反逆…そして、世界を変えてみせる、と。
その事件で出会ったのが枢木スザク。彼は日本最後の首相の息子であり、ルルーシュの親友でもある。ブリタニアに屈することを拒否しゲットーで暮らす日本人とはちがい、スザクは「奴隷としての平和」を選択し、イレブンとしてブリタニア軍に属している。ただ、スザクはブリタニアに絶対服従を誓ったわけではない。ブリタニアと抗争して日本を取り返すのではなく、ブリタニアの内部からの変革によって日本の名誉を取り戻す道を選んだのであった。
ギアスは絶対遵守の能力だが、効果は1人につき1回のみという不完全なものである。また、能力を得たとはいえたった独りでの反逆は無謀なのは明らかであったため、ルルーシュは仲間を集めようと考える(※推測)。ルルーシュはさっそくギアスの能力と明晰な頭脳を使ってブリタニア軍を追い払い、レジスタンスの心をつかむ。ルルーシュは、素顔を隠した謎の反逆者「ゼロ」と名乗り、レジスタンスたちの支持を集める。ルルーシュ自身も、自分が司令塔になって指示を下すのがチェスの駒を動かしているような感覚で、楽しさを覚えているようであった。
ルルーシュは自分がゼロであることをC.C.以外には隠しながら、学園生活を両立させながら抗ブリタニア活動をする。旧日本の有力者たちとも手を組み、また日本人・ブリタニア人に関係なく、ゼロの考えに賛同した人々を集めて「黒の騎士団」を設立する。強き者が弱き者を虐げる世の中(ブリタニア・抗ブリタニア日本軍)を変えようという第三勢力の誕生である。
そんなある日、同じギアス能力を持つマオに出会うが、同じ学園に通う幼馴染・シャーリーにゼロの正体ルルーシュであることがバレてしまう。ゼロ一派との闘争で父を亡くしてしまい混乱するシャーリーであったが、ついにギアスによってルルーシュにその記憶を消されてしまう。苦渋の決断であったが、ゼロ、もといルルーシュはもう後戻りできないことを悟るのであった。
黒の騎士団はブリタニア軍をいいところまでいつも追い詰めるのだが、相手軍の新しい人型兵器「ランスロット」に挽回される、という闘いを何度も繰り返していた。ルルーシュは天敵ランスロットを自分らが行っている正義の闘いの邪魔者として憎く思っていたが、ある日その操縦者が親友のスザクであることを知り複雑な気持ちになる。
スザクはブリタニア軍での行動と忠誠心が認められ、名誉ブリタニア人としてランスロットに搭乗することが特別に許可されているのであった。ブリタニア人としての権利を認められたスザクはルルーシュと同じアッシュフォード学園に通うことになる。ルルーシュは、親友と抗争を繰り広げることは望ましくはないと考え、それとなく説得を試みる。しかし、スザクは信念を曲げずにゼロの考えに賛同せず、むしろ黒の騎士団が掲げる正義は間違っていると断言するのであった。ただ、いまさらルルーシュは引き下がるわけにもいかないのでゼロとしての抗争活動を続けるのであった。
ある日、エリア11の副総督に就任したユーフェミア皇女(ユフィ)がゼロとブリタニアの抗争に巻き込まれる。ユフィはルルーシュの昔馴染みの皇族仲間である(実は初恋の相手でもあった)。激戦の末、ユフィ、スザクとゼロたちは神根島に漂流する。ここでユフィとルルーシュは再会するが、ルルーシュは自分がゼロの正体であることを告白し、ユフィもそれを受け容れる。この頃、ユフィはスザクのことも懇意にしており、ゼロであるルルーシュとスザクの両者が争うことのない世界を創ることをめざす。
そして、ついにユフィは「特別行政区・日本」の設立を宣言する。この特区ではイレブンは日本人として認められ、また全民族に対して平等な権利が与えられる。この特区の樹立宣言により、黒の騎士団は存在意義を失う。さすがに負けを認めたゼロは、ルルーシュとしてユフィに会いに行くのであったが、ここで事態は急展開する。ルルーシュは突然ギアスの制御ができなくなり、冗談で発した「日本人を全員殺せ」という言葉に反応してしまう。ユフィは大勢の人の前で日本人を射殺し、ブリタニア軍に日本人殲滅の命令を下す。ルルーシュは意図せず引き起こしてしまった惨劇に困惑するが、黒の騎士団にとってはまたとないチャンスであり、ゼロとしてすぐに行動に移すのであった。
最終的にユフィはゼロに射殺されることで、この虐殺事件は収束する。ルルーシュにとっては重い決断であっただろうが、もう後戻りしないと決めた以上、迷いはなかった。しかし、この事件を境にスザクは変わってしまう。スザクは日本人らしくなるべく人殺しはせずに平和的な解決を目指すスタンスであったが、「どんな手段を使ってでもこの手でゼロを殺す」と決意するのであった。
物語は最終局面を迎える。黒の騎士団は天敵ランスロットの捕縛に成功し、ブリタニアをあと一歩まで追い詰める。しかし、ゼロはある一報を受ける「ナナリーが何者かに拘束された」と。ルルーシュとしてやるべきこと、それはナナリーを助けることである。ルルーシュはゼロとしてやるべきことを放棄し、ナナリーが拘束されているという神根島に向かうが、C.C.もそれを黙って受け容れ、ルルーシュのために身を捧げる。
神根島に着いたルルーシュが最初に出会ったのは…なんとスザクだった。スザクは銃でゼロの仮面を撃ち壊し、ついにゼロの正体を知る。スザクはルルーシュがゼロの正体であることには気付いていたようだが、それを認めたくなかったため否定し続けていた。しかし、ゼロを殺す決心をした以上、スザクはルルーシュを撃つしかなかった。ルルーシュも、愛するナナリーを助けるため、敵軍であるスザクを撃たざるを得なかった。
世界を裏切り、世界に裏切られた…最後はナレーションで物語の膜が閉じる。親友である二人が向き合い銃を撃ち合ったあとのことは描かれていない。スザクがゼロを殺すという目的を果たせたのか…ルルーシュはナナリーを救えたのか…ブリタニア帝国は、エリア11は、世界はどういう結末を迎えたのか…
帝国皇族に対する恨みからブリタニアの支配に反旗を翻したルルーシュ。帝国内部の変革によって日本の国土奪還と名誉回復をめざしたスザク。二人が似た目標を達成すべく対極的な手段を取ってしまったために起こってしまったすれ違い…大いなる目標を前にして、個人的な感情・ささやかな望みに動かされてしまう弱さ…非常に人間味あふれる二人の主人公であった。
総合評価。物語に一部飛躍した箇所・説明不足な部分・曖昧な終わり方など見受けられるが、全体としてはまとまってフィニッシュしたと個人的には思う。二期もあるらしいしこれから見てみようかな。これ以上物語が発展するのか、伏線を回収するのか、まあ見てからのお楽しみかな。