因果 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
昭和のカウボーイビバップ
ルパンといえば、一般的には
\ルパーン/\ルパーン/の歌詞が特徴的な「ルパン三世のテーマ」がOPで、
赤ジャケットのルパンが面白おかしく活躍していた、というイメージがあります。
しかしそれは第2シリーズのことであって、この「ルパン三世(TV第1シリーズ)」とは全くと言っていい程別物です。
TVのアニメ特番でルパンのアニメが出てくるときは、大体2作目しか紹介されません。
悲しいですね。
「ルパンと言ったら赤ジャケ!」という初代の不遇っぷりに絶望した!
なので、こちらの方は「初代ルパン」やら「緑ジャケ版」と呼称されます。
どうしてこちらのルパンは一般に浸透していないのでしょうか?
全てはストーリーに原因があります。
ルパン(赤)は、コメディやアクションが主体の子供でも楽しみ易い作風でしたが、
初代は、ドンパチ要素より、ヒューマンドラマ、ハードボイルドな要素が多いです。
なので当時の子供にはとっつきにくく、初回放送時は視聴率が低迷し、23話という微妙な話数で打ち切りとなってしまいました。
特に、第4話の「脱獄のチャンスは一度」や第9話の「殺し屋はブルースを歌う」では、かのカウボーイビバップも脱帽するほどにハードボイルド&ロマンのあるお話でした。
ビバップのスタッフもこのアニメに感化されたのかもしれません。
それ程までに渋い、痺れる、ルパンが常にかっこいい!
私としてはかなり満足できるアニメでしたが・・・・・・
・・・確かにこれで数字は取れないでしょうね・・・
スタッフも堂々と「大人向けです」と公言しちゃってたそうですし。
同時期の巨人の星にアニメーターと視聴者をかっ攫われて、
制作スタジオには閑古鳥が「泣いて」いたそうな(笑)
打ち切りにしてはラストはかなり秀逸です。
{netabare}銭形警部のルパン愛にはこちらまで感涙モノでした。
ルパンが死んでしまったと思い込んだ銭形警部が泣きながら吐き出したこのセリフ、
「俺はどうすりゃあいいんだよぉぉ・・・」
には本当にウルっときました。
主人公VSライバルとはこうあるべきでしょう。{/netabare}
それでも少し気になっている点
{netabare}「3メートルほどの大木にジャンプで飛び乗る一般人たち」
「毎回死んでね?ルパン」
「爆発しても服が破けて終わりとはこれ如何に?」
「警視総監エロ本読んでたよね?」
「↑銭形もそれをスルーしてたよね?」
なんていう野暮な考えは置いといて。{/netabare}
萌えアニメに辟易した大人の方にはかなりオススメの作品です。
渋いルパン一味に陶酔したい方は是非視聴をオススメします。
これがルパンの原点ですよ!