弥月 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
好き、だから触れたいーーー触れられない
ある夏の日。
山神様の森で出会った2人。
少女を助けてくれた彼は、人間ではありませんでした。
日本映画のように、間を大切にした作品。
セリフ以上に、仕草や視線が様々なことを物語ってくれる。
特別なだれかに触れることが、こんなにも儚く切ないことだなんて。
涙なしには観られません。
「蛍、忘れてしまっていいんだよ。」
「ギン、忘れないでね。わたしのこと忘れないで。」
このやりとりは、わたしの中では鳥肌モノ。
蛍は成長し、ギンに追いついていく。
互いがずっと一緒にいられる存在ではないことを認識せざるを得ない2人。
夏を迎えるたびに募るのは、別れの予感であり、恋心であり
。
「好き」の替わりに伝え合う言葉が、胸をキュンとさせてくれます。
なぜ迷子の蛍に声を掛けたのか。
タヌキ寝入りまでして素顔を見せたのか。
来年の夏という約束をしたのか。
ギンの秘密を知ったら、すべて腑に落ちました。
{netabare}あんなにあっけない最期だって。
きっと、蛍に罪悪感を与えないよう消滅する機会を伺ってたんでしょうね。
ギンは消えてしまったけど、願いは叶った。
そして、蛍も。
たった一度の触れ合いを大切な思い出にして、人生を歩んでいく決意ができた。
{/netabare}
少女から大人の女性へ。
わたしも一歩踏み出す決意を。