HIRO さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「君の名は。」あとは「言の葉の庭」観てほしいな。
ちょうどGYAOで公開していたのでひさしぶりに視聴しました。
タカオとユキノの会話を最小限に抑えることによって二人の切ない恋物語が抒情詩的に表現されています。
新海監督は、ヒロインのキャスティングに25歳以上の女性でオーディションを行いましたが当時23歳の花澤香菜さんはどうしてもこの役がやりたくて事務所にお願いして応募したそうです。後から考えると花澤香菜さんのはまり役じゃないかと思います。ナイスキャスティング。
入野自由さん演じるタカオもユキノ対するストレートな恋愛感情がよく出ていてとてもよかった。
「言の葉の庭」「クロスロード(Z会CM)」とを観て気がついたというか確信したというか。新海誠監督は”光の魔術師”なんだと思った。
私たちの生活している世界では太陽と日差しの光が入る風景がありとあらゆるところにある。
新海誠監督はそれを正確に描写することによってリアリティーのある映像を作り出しています。まさに光の魔術師☆.。.:*・新海誠監督。
この作品を観ると学生時代に美術館で観たモネの絵を思いだします。
普通は主人公の顔は白く輝いているのが普通ですがこの作品ではあえて逆光で映し出すことによって背景に奥行きをだしています。
とくに主人公タカオとユキノのが新宿御苑の東屋で出会うシーンですが、ユキノがタカオに気づき振り向くシーンでは逆光でありながら瞳や髪の毛に新緑の緑が映りこんでいてよりリアリティーに立体感のある映像になっています。私はこのシーンで新海誠監督のとりこになってしまいました(笑)
風景では梅雨の雨の風景が丁寧に描写されていて梅雨に次々と芽吹いていく新緑とみなもに映し出されるエメラルドグリーンの木々の色や風景の描写がアニメでここまで表現できるのかと思うほどとても綺麗です。
東京の男子高校生と生きることに不器用な年上の女性の淡い恋の物語を丁寧に描いています。
靴職人を目指す高校生のタカオ(秋月孝雄)は雨の日の日本庭園で昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノ(雪野百香里)に出会う。
彼女はタカオとの別れ際に万葉集の一句
「鳴神の光りとよみてさし曇り、雨さへ降れや。君は留らむ」(意味:雷が鳴って雨が降っていればあなとを留めておけるのに)を読んでその場を去る・・・
クライマックスはユキノはタカオに「・・あの場所であなたにすくわれてたの・・」とタカオがユキノに恋愛感情を抱いたととはちょっと違った感情を表しています。
タカオには四国までユキノを迎えにいってほしいですね。
ちなみにタカオは返し歌で
「鳴神の光りとよみて降らずとも、我は止まらむ。妹し止めてば」(意味:雷が鳴って雨が降らなくとも、あなたが言えば留るのに)を読んでます。ち洒落た大人の会話ですね。
光の魔術師の称号をもつ画家にレンブラント、フェルメールがいますが、新海誠監督の名も近い将来記載されるでしょう。
スタッフ
監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・撮影監督・色彩設計・編集 - 新海誠
作画監督・キャラクターデザイン - 土屋堅一
美術監督 - 滝口比呂志
音楽 - KASHIWA Daisuke(柏大輔)
プロデューサー - 川口典孝
制作プロデューサー - 伊藤耕一郎、酒井雄一
制作・著作 - 新海クリエイティブ、コミックス・ウェーブ・フィルム
アニメーション制作協力 - アンサー・スタジオ
配給 - 東宝映像事業部
主題歌:秦 基博、槇原敬之 「Rain」 (原曲:大江千里 )
キャスト
秋月孝雄 :入野自由
雪野百香里:花澤香菜
平野文:タカオの母
タカオの兄 :前田剛
タカオの兄の彼女 :寺崎裕香
ほか