三崎鳴 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
TV版で完結させてくれれば…
Production I.G.制作のオリジナルアニメーション作品。第14回アニメーション神戸賞作品賞・テレビ部門、東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞テレビ部門受賞作品。2009年(平成21年)度文化庁メディア芸術祭(第13回)審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれた。あらすじは以下の通り(wikipediaより引用)。
2010年11月22日 月曜日、日本各地に10発のミサイルが落下した。『迂闊な月曜日』と呼ばれたこの事件は、奇跡的に1人の犠牲者も出なかったこともあり、人々は次第に危機意識を失っていった。それから3ヶ月後、11発目のミサイルが旅客機を直撃した。その頃、大学卒業旅行でホワイトハウスを訪れていた森美 咲は、滝沢 朗と名乗る同い年の男性にトラブルを救われる。滝沢は記憶を失っており、全裸姿であったが、82億円の電子マネーが入った風変わりな携帯電話(ノブレス携帯)を手にしていた。咲と共に日本に帰国した滝沢は直ちに自分が何者かを探り始める。現状と将来に悩んでいた咲は、滝沢に振り回されながらも次第に心惹かれるようになる――
世界観や設定の面では作品の評価として満点をあげたくなる一級品。しかし大きな風呂敷を広げた割には全11話での放送から未完END→劇場版に続く、と商業的な反響を見込んだ製作者の魂胆が透けて見えるのがマイナス点。未完でオチをつけるなら劇場版の内容込みで2クールで制作するべきだったのではないか。しかし伏線をきちんと回収しようとするスタンスは高く評価すべきポイントだ。伏線を張っても回収しきれない、雰囲気だけで作りたてて視聴者で理解できる者は少ない、と製作者の自己満足的な作品が大量生産されつつある近代でこの作品を生み出せたのは監督の腕だろうか。やや展開に無理がある様な点も少し見受けられるが全体的な整合性はとれている為、特筆はしない。アニメ版で完全に作りきっていれば名作に消化し得る可能性のあった作品。劇場版の内容も併せて再び評価したい。