じぇりー さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ナレーション問題…これは完全に見る側を受け身にさせる
日本・西洋問わず、童話やおとぎ話の登場人物やその物語をモチーフにした作品であるが故なのか…
まるで絵本の読み聞かせのごとく、入り続けるナレーション。恐らく、キャストの中で最も台詞量が多いのではないだろうかと思えるほど、とにかく作中ずーっとナレーションがしゃべり続けている。キャラのセリフの上にも堂々とかぶせてくる。
アニメの内容としては学園ラブコメもの、ツンデレ・ロリ・メイド・魔女っ娘なんかも出るよ♪と「押さえるところ全部押さえました★」的な、シチュエーションも展開もお約束過ぎるので、ナレーションを入れて説明してもらうほどのモノでは、正直言って、ない。
だから、説明されなくても十分伝わる場面にも、いちいち入ってくるオバサン声のナレーションは、私には最後まで邪魔でしかなかった。語り口調も下世話な感じで全く好感が持てない。
例えるならそうだ、バラエティー番組のグルメロケなどで流れるそれのよう。
最も台無し感が高かったのは、キャラクターのセリフや、アップの表情の描写にまで、いちいちツッコミや「おやおや、なんだか意味深な表情ですね~」のようなナレーションが入る点。
こういう場面は、視聴者が各々の感性で受け取るべき部分であり、だからこそ、想像力を広げることができるし、キャラクターに対する印象が見る人の感じ方如何で変化し、多様化するのである。
アニメに限らずエンターテイメントや創作物は、それを楽しむ人に、一つだけの正解を与えてはいけないと思う。
しかしナレーションが入ることにより、この作品における「これが正解」な受け取り方が示され、視聴者は受け身にならざるを得なくなってしまう。それ以外の捉え方や感じ方をしていた場合、それは否定されている、ということになる。
これは演出の大失敗と言わざるを得ない。評価項目に「演出」がないため、ナレーションが関与している物語・キャラ・声優の評価の★を下げることにした。
ナレーションさえなければ、気楽に見られるかわいいラブコメとしてそれなりに楽しめた作品だったと思うだけに、残念。
最後に…単話完結モノとはいえ、11話と12(最終)話は逆の方が良かったと思う。