「<物語シリーズ>セカンドシーズン(TVアニメ動画)」

総合得点
91.4
感想・評価
3427
棚に入れた
20241
ランキング
34
★★★★★ 4.2 (3427)
物語
4.2
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.3

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ネタバレ

遥か彼方 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

振り返れば奴が・・・ってそこに犯人いません~♪(実は私達かも知れません?)

{netabare}普通に人間でしたね、貝木さん。
本当に普通にちゃんと死んでしまいましたね。
フラグをへし折ることなく、でも予想外のシチュエーションで、まるで生物が土に還るように雪に少しずつ身体も意識も埋もれて、このとんでもない世から消えました。

興味深かったのは貝木さんが、好きな人を殺す瞬間を待ちわびる様な狂気を孕んだ神様に、当たり前の事を言ってそれを止められた事。撫子に取ってはそれは当たり前の事じゃなく、今まで誰もそれを言ってくれる人がいなかった為か、どこか悲劇のヒロインを演じたかった?為、彼女に取っては初めて聞かされた驚愕する言葉。
当たり前の言葉が人生を180度変えてしまう世界。それが物語シリーズなのかも知れない。
どこまでも怪しげだった貝木は、とうとう最後まで普通(カタギではないが)の人間のまま逝った。
怪異に侵される事もなく、狂気に操られることもなく、思わぬ言葉で数人の命を救って、自分が思わぬ瞬間に逝った。
彼はタンスの中身を切り札として撫子を止められると確信していたのだろうか。それとも人間らしくでも彼らしくなく、実は取り乱して心のままにあの言葉を撫子へとぶつけたのだろうか。

視聴するまで撫子を騙しきれずに殺されるか、何らかの形で撫子を救い命が助かるか、どちらかと思っていた。
いや、これがフラグと言うものなのだろうか。
撫子との間にどういう展開が起ころうと、何故か貝木はこうなる運命にあると、感じていた人も多いんじゃないだろうか。
業を背負っている訳でもなく、ただ敵は多いらしいから常に死と隣り合わせで生きてきたのだろう。それ故反対に彼は死なないと、絶対的な生存フラグを手に入れていると思えた。
それなのに、何故だろうか。
この結果がまるで確定されていたかの様に、私の中では認めざるを得ないものとして、描かれてしまった。
貝木は何故死ななければならなかった?

ナニが貝木をころした?

あれからちょっとまたいつものウザい考察が思い浮かんだので更新してみる(どうでも良い事なので隠しでw)
{netabare}原作未読なので内容が原作に忠実なのだとしたら、作品内で彼を直接的に殺したキャラはともかく、彼を殺させようと決めた作者がその通りに殺したのかも知れない。もっと突っ込んで言うと作者の想像の中で「読者、視聴者への未来に向けての彼に対する期待や愛情」に答えた形になるかも知れない。などとふと思った。

二次元では特に、死ぬ事によってファンから永遠の愛情を貰えたり、その存在が大切なものにレベルアップしたりする事も多々有る。突然の死は悲しみや驚愕、色々な形で彼を知る人達の心に刻み込まれるだろうし、時が経つと美化すらされていく事も有る。
最早セカンドの裏主人公と言ってもそれ程言い過ぎだとは思えない貝木。
カタギでなくどこまでも胡散臭く、日々危険と隣り合わせで存在自体にフラグを背負っていたと言える程、普通の人間である彼と「死」は切っても切れないものだった。
誰もが生き残る可能性は少ないのでは、と思っていた気がする。撫子に殺されたのなら想定内だっただろうが、折角生き残った直後「誰かに」殺される。
有る意味ドラマティック、奇特な彼の最期としてこれ以上のものが有るだろうか。
そしてその存在を偲ばれ、心に刻まれ、貝木は物語シリーズの中では皆の心で一生生き続けるだろう。
それは悲しくもキャラに取っては幸せな事かも知れない。

未読なので無茶苦茶な事を言っているだろうと思う。
既に彼を美化しているかも知れない。
でもこんな突拍子もない考えは貝木だからこそなのだと思う。

アニメを観ていて「このキャラ死んで欲しくない」と思いつつもどこかで自分が気に入っているキャラによって悲しみを与えられる事を望む時が、私には有る。非常に不謹慎だと感じられるかも知れないが、好きだからこそそのキャラで感動したい、泣きたい、これも歪曲してはいるが一種の愛情だと感じる。

作者は貝木の人気を予想出来ただろうから、貝木が一番「愛される」展開も造り出すことが出来ただろう。この展開が世に送り出された時の、ファン達の彼への「愛情」を予測して・・・。
それがこの結末なのかも知れない。{/netabare}

ふざけた80年代風のデュエットOPも、今では切ないレクイエムとなった。
突然本当に思わぬ瞬間に人は死ぬ、人だから死ぬのだ。
貝木はこの物語の中で唯一純粋で貴重な、ただの人間だった。
本人は決して望まないだろう、嫌悪感さえ抱くかも知れない。
でも間接的に何人かの人助けをして、きっと何らかの代償に命を落とした。

何だか、まるでヒーローみたいだ。

そう感じると、苦笑がもれ、ちょっと切なくなり、人間の儚さが少し怖くなったセカンドシーズン最終回でした。{/netabare}


以下視聴中のレビュー
{netabare}
物語シリーズがあまりにも人気なので、思い切って猫辺りから視聴出来る時に視聴。だが猫は(たまたまその回に当たったのか)阿良々木が{netabare} 吸血鬼になった過程 {/netabare}が、思ったよりグロかった。でも回想なのでまあギリな範疇って所で。
ただこの作品の魅力の一つでも有るだろう文字の応酬には正直初めて視聴した時酔ってしまいそうになった。
文字を読もうとしたら既にモノローグが進んでるし、でも文字も大切だし・・・と言うので西尾作品慣れしてない人はちょっとだけ慣れるまで苦労するかも?(自分だけ?)

猫物語は何となく観ていた感じだったけど、囮は好きな撫子が主役と知って、本格的に見始めた。
そして改めていや、初めてこの作品の世界観の凄さを知った。{netabare}タイムリープ{/netabare}は当たり前。どこまで伏線が張られているのか化物語まで戻った方が良いのか?
とにかくちゃんと見始めて自分が好きな世界観だったのだと知り、化物語を観ていなかった事を今更ながら後悔(セカンドが終了したら観るかも)

とにかく「暦お兄ちゃん」と呼び慕い{netabare}殺そうと {/netabare}する撫子が怖可愛くて仕方無い!あの可愛さはヤンデレとは呼びたくない(が実際はそのタイプに入るのかな?)いつもの撫子口調で物騒な言葉を延々と日常会話の如く呟く。{netabare} 血塗れで倒れている阿良々木と忍 {/netabare}を見ても血相一つ変えず、愛故から来る想いととんでもない願いを平然と口にする。
その無邪気さとどこまでも可愛らしい仕草が恐怖とマッチする{netabare}彼女になら殺されても良い!{/netabare}とすら思えてくる危険な魅力は、花澤さんの撫子でしか出せないだろう。

既に私も撫子と言う神の虜になってしまった様だ。

20話「鬼物語しのぶタイム 其ノ肆」感想

「やはりなでこメデューサが一番かなあ」と鬼物語を視聴しながら思っていた。
自分は化物語も偽も含めてまともに観たのは撫子メデューサのみ。
当然キャラも「ああ、これがあのひたぎって子で、これが神原さん?そしてこれが~」ぐらいの認識しか無かった。
そんな私でもこれは言いたい!
アニメからファンになって(原作知っていたら展開解ってるだろうから)化物語などを観てキャラを一通り知っていて、二期の鬼物語が微妙だと感じてる人!(凄い限定されそうだが)
とにかく鬼物語は観て下さい!
絵巻物を使った昔話みたいなノリでちょっとダレる回もあるかも知れないけど、数回は堪えて観て下さい!
何故なら{netabare}多分、泣ける{/netabare}
自分は{netabare}化物語始め、あのキャラと阿良々木のエピソード等、愛着が湧く前にこれを観てしまった為泣ける所まではいかなかった{/netabare}
でも阿良云木と彼女とのやり取りを見てきているファンならこの回は{netabare}神回になると思う{/netabare}

鬼物語はイマイチだと思ってる人、視聴を続けて下さい!

鬼物語が予想以上に感動したので視聴続行。
次の「ひたぎエンド」視聴中で変な奴に取り憑かれてしまったらしい。

ここまで観てきてふと感じた。
あの見るからに胡散臭く不健康そうで堅気ではなさげな男、貝木・・・彼は実はあの世界の秩序なのではないだろうか?

一番胡散臭そうなキャラが一番まともなのかも知れない。

最初は全くノーマーク、いやウザいとすら思っていた貝木と言う大人キャラ。
だが何だろう・・・彼の言い分やふとした言動や見方がこの世界では異端でも実は最も正しい、正常なのじゃないかと思えて来た。
その代表的な台詞が
「千石撫子、あいつは馬鹿だ」
「あいつにとって最早『可愛い』と言う言葉は賛辞ではない」
「女子校生がそんな改まった言葉を使うな」
「あいつは神様やってる方が案外幸せそうだぞ」
「お兄ちゃんと呼ぶな」
ひたぎとの終始駆け引きの様な会話の応酬と言い、上記の言葉を言わせるキャラ達と言い、上手く表現出来ないがどれ程この作品のヒロイン達が普通ではないのかを思い知らされる。

一度目に「馬鹿だ」を聞いた時は、貝木は彼女など自分には取るに足らない存在だとそう言う余裕の有るキャラなのだと思った。
だが何度か「馬鹿だ」を聞いている内にそこに一種の憐れみを感じ、それがあの世界での正常な彼女の見方だと気付いた。
「なでこだよ~!」
と無邪気に飛び出して来て純粋に貝木を慕う、髪が真っ白な蛇に覆われた少女。
貝木と言う正常に歯車を回そうとする男の登場で、千石撫子を覆う狂気が一層浮き彫りになった気がする。
上記の「なでこメデューサ」の時よりも堪らなく不気味に感じる。

キャラそれぞれの積み木が有るとする。
色も形も長さも全部見事にバラバラで、なのに何故かとんでもなく微妙なバランスで阿良々木を囲んで建っていて上に屋根(世界)が乗っかっている感じだ。
一ミリでも動かせば全てが一瞬で崩れ去る様なアンバランスな積み木の塔。
今は撫子の積み木が一番いびつだろう。

貝木はそれを正常なバランスに戻そうとする役目を担っている様に思う。
でも果たしてそれを誰かが願うだろうか?
貝木には正義感など持ち合わせてはいないだろうし、自負と言う人間的な感情もどこか似合わない。
彼に言わせれば「ほんの気紛れ」「出来心」かも知れない。
気付けばあの世界で一番正常な自分が世界を正常化しようとしていただけ。

「俺は千石を騙せる」

だが相手は曲がりなりにも神様になってしまったモノ。
人間如きが敵う筈が無い、と貝木は気付かないまま運命の言葉を口にする。
ある意味貝木も憐れな男だと感じる。

そして
{netabare}「貝木さんもなでこを騙すんだね」{/netabare}

ぎゃあああああああああああああああ!!!
戦慄、戦慄、戦慄、戦慄、戦慄、戦ry

ねえ、かいきさん・・・


いっぺん、死んでみる・・・?{/netabare}

ねえ、かいきさん・・・


もういっぺん、生きてみる・・・・・・。

投稿 : 2014/01/08
閲覧 : 491
サンキュー:

42

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