E4GLS さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
癒しアニメの金字塔
2300年代、水の惑星になった火星(アクア)でウンディーネを目指す少女たちの緩やかな成長と日常を描いた物語。全部で3期あるARIAシリーズの1期に当たります。
この作品は日常系の中でも話の起伏がとにかく小さいため、合わない人には全く合いませんがハマる人はとことんハマります。普段の生活で疲れていて一休みしたいなと思った時に視聴すると、心が温まって元気が出てきます。
本作は徹底して悪意が排除されたのんびり爽やかな世界観が特徴。そしてその世界観が主人公の水無灯里を始めとするウンディーネの卵によって彩られます。
ウンディーネとはゴンドラ乗りのガイドさんのこと。灯里らは一人前のウンディーネになるべく修行しますが、作中での描写は非常にマイペース。この娘たち大丈夫か?と思ったりもしましたが…。ゆったりとした地域の魅力を、地域と一体となって真摯に心に刻んでいく彼女らの姿に心を打たれました。
{netabare}「シルフは大切な気持ちを届け、ウンディーネは大切な気持ちを作る」という表現が作中にありましたが、まさにこれに尽きるのだと思います。修行しながら友人と他愛もない会話をしたり、合間にのんびりお茶したりといった出来事も彼女らにとって決して無駄ではないわけです。
お客様にネオヴェネチアの本当の魅力を伝えるに足る感受性豊かな心を育むための大切な時間。普段分単位、下手したら秒単位で時間を管理されて勉学・仕事等に励む私たちが忘れがちな、人生を豊かにするための時間の大切さをこの作品は伝えてくれていると感じました。{/netabare}
ARIAシリーズの末恐ろしい点は、3期通して外れが全くなかったこと。特に3期はストーリー的にも大きな盛り上がりを見せる感動必至の出来です。本作の雰囲気に共感されましたら是非続きも視聴してみて下さい。