「進撃の巨人(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
6406
棚に入れた
28990
ランキング
45
★★★★★ 4.2 (6406)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ほーきんす♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

【ネタバレ有】 「“原作を超えた”という評価も妥当な完成度!」

 

 アニメとしてのこの作品を観る前は、原作(漫画)を十分すぎるほど満喫していた自分としては、わざわざまた一から見る必要はないだろうと思っていた…。
 
 しかし、なんとなくな気持ちで1話だけ観てみて、“立体機動装置”展開時の圧倒的な迫力に完全に引き込まれてしまった…。


 原作唯一の欠点(ある意味ではピカソ的長所)である作画のクオリティを、アニメでは確実に克服し、上記の立体機動の戦闘シーンや、町が破壊されるシーンなどは、画だけでも十分に観ていられるほどレベルの高い作画になっていた。

 つまりは、自分たち原作既読の人間は、ストーリーや設定を知っている状況で、“この作品の、果たして他に何を見ろというのか”と思っていたら、“じゃあ、作画を観てください(キッパリ)”と、一蹴されたかのごとき衝撃だった…、というわけである。


 これは自論だが、作画の良さを表す1つの指標は、“背景(特に空)の光の美しさ”にあると思う。
 言い方を変えれば、“一枚画の美しさ”ともとれるが、アニメのこの作品は、とにかく光(と同時に影)の使い方が秀逸である(ちなみに“とある科学S”のミサカ妹が初めて外の世界に出たときのシーン(背景含め)は、感動すら感じる…)。
 人々が絶望の淵に追いつめられるようなシーンでは、影が強調され、その中において、主人公たちの瞳の光、兵士たちの刃の光が、人類の持つわずかな希望を感じさせる…。


 などなど、挙げればきりがないが…、自分は原作において、この作品のストーリーや設定がすでに分かっていたにもかかわらず、それでもなお、(これらの理由から)アニメとしてのこの作品にハマってしまったわけだ。
 
 つまりは、原作にはない魅力がこのアニメにはいくつもあり(例えば、リヴァイ班の家族の登場や、リヴァイの死んだ兵に対する思いやりの描写など)、ある意味では原作を超えたのではないか…、という声にも納得できる。


 また、原作とアニメとの大きな違いの1つが、ジャンの活躍するシーンの多さである。
 もちろん、原作内でも、ジャンは、口では他人の批判や、文句ばかり言う、一見嫌な奴であるが、このわずかな間(2回目の超大型巨人出現からマルコの死あたり)に、精神的に最も成長した1人であり、窮地に陥るときほど、頼りになるのはジャン、というキャラポジ(キャラポジション)を確立しつつあるように感じる…。
 しかも、アニメでは、原作以上にジャンにスポットを当てたシーンが何度もあり、ジャンという兵士の真価を感じる内容になっている。


 作画においても、もちろんこの作品よりも、純粋にうまい画の作品はいくつもある…。よって、その作品たちが5点満点なら、この作品はそれ以下ではないか…、となるがそうではない。
 
 この作品は、立体機動を駆使した巨人との戦闘シーンなどにおいて、間違いなく自分たちが原作を見ながら想像していた、スピード感や迫力などを凌駕しており、緊迫した、まるで観ている自分が戦っているかのような(アングルの)巨人との戦闘シーンの表現にも成功している。
 
 そういう意味で、この作品の作画も5点満点という評価でいいのではないだろうか…。


 また、OP1の「紅蓮の弓矢」は今までにないタイプの良いアニソンで、初めのころは(おそらくは多くの人も)中毒になってしまうくらい良かった…(個人的にはOP2が、“進撃の巨人”世界内の国歌のように感じられて好きだった…)。

 声優陣も、感情の起伏が激しい、難しい役だったと思うが、十分すぎるほどの熱演だったと思う…。


 原作派(といっても、リアルタイムで見ているのが原作ということであって、原作>アニメだとは思っていない…)の自分としては、“原作の”世界における時間的に104期生のメンバーを見てから、“アニメの”104期生を見てみると…、
 「メンツがヤバい」と思わずにいられない(まぁ、ここはアニメ派の人を考慮して、他のメンバーの情報は明かさないでおこう…)(また、“歴代に類を見ない逸材=ミカサ”であるのは仕方がないとしても、104期にもなっているのだから、今までの先輩方の層の薄さときたら涙ものである…)。
 
 しかし、成績“2位の人”や“3位の人”、“わざと成績上位10位を外れた人”ですら、おそらくは、“進撃の巨人”内の世界では、一兵士ぐらいの存在で、世界レベルで見れば、取るに足らない存在なのだろう…。
 そう考えると、まだまだ世界観に広がりを見せる可能性があり(というか間違いなくそうなる)、先を考察・想像しながら読みふけるには、最高の作品の1つだと思う。
 

 この“進撃の巨人”という作品は、原作とアニメどちらが上でどちらが下か、という論争をすること自体が間違いな作品であり、事実、どちらが上、ということはない作品なのではないだろうか…。
 むしろ、同じ“進撃の巨人”なのだけど、全くの別物として観る方が正しいように感じる。原作の画に違和感を感じるような人は“アニメ”を、少しでも早く物語や世界観の内容を知りたい人は“原作”を見るのをオススメしたいと思う。
 
 (終)

投稿 : 2013/10/16
閲覧 : 315
サンキュー:

6

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