「ログ・ホライズン(TVアニメ動画)」

総合得点
84.7
感想・評価
1970
棚に入れた
11964
ランキング
281
★★★★☆ 3.8 (1970)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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plm さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

先の未来を見つめて、考え行動する!

原作者は「まおゆう」の人で、MMORPGの世界に入り込んでしまうという異世界もの。
ネットゲームを題材にした作品ということで、まず頭に浮かぶのはSAO(ソードアートオンライン)
だが、二番煎じか?と思いきや、むしろアンチSAOの人ほど好みそうな内容。
なぜかというと主人公が付与術師(一人では何もできないが仲間を支援する能力に長けるクラス)
であるため、必然的に仲間との協力・パーティの連携を立てるであろうことから、
SAOのソロプレイとは一転した内容を期待できるからだ。

それから、なんとこれNHK枠。NHKでネトゲ推奨しちゃっていいのか、怖ろしい時代だ。
しかしNHKのヒロインキャラは素朴で可愛らしいというツボをついてくる。安心のアカツキちゃんさん。

■内容の充実度は?
 同原作の「まおゆう」がすでにアニメ化されているものの、
そちらは尺の取り方がうまくいかず、中途半端な出来になってしまったという印象があった。

しかし、本作は2クール25話を余すことなく使い切っていて、とても良い出来であるように思った。
各話に無駄がなく、一つの流れに沿ってお話が進んでいく。
特に話の盛り上がり始めるのは、6~7話にかけて「クレセントムーン」が登場する頃からだ。

それまでは世界や設定を描写する回だったが(そこも重要だが)、この「クレセントムーン」は
後々の展開にも大きく関わり、主人公たちが自ら動いて、行動指針を獲得するお話なのだ。
いわば"巻き込まれ型主人公"だったのが"自主目的を持った主人公"へと変わる瞬間でもある。
キャラクター自身もそのことを独白しており、ただ単に巻き込まれ、動かされて終わるのではなく、
そこからの生き方を考え始めることに醍醐味がある物語だといえるのだ。これはなかなか深い。

そうして"成すべき"ことを考えた主人公は、世界のありようを考え、救える人を救う方法を考える。
また、"大地人"との関係を考え、立ち振る舞いを思案していく。
最後には世界の仕組みについて考えを深め……といった具合に、主人公の起こす行動が、
身近な人から地域へ、地域から国へ、国から世界へ及んで、と全て一連の流れになっているのだ。

これを尺を余すことなく、無駄なく間延びせず使い切った25話だったので良い構成だったと思う。
「まおゆう」と比べて、初見のインパクトも作画的な華やかさもないのだけれど、
非常にうまく見所・盛り上がり所を出し切った、充実度の高い作品だと思う。

■異色の主人公?!
 多くの作品では、主人公といえば性格はどうあれ正面突破するキャラが多いだろう。
いうなれば前衛職、それはそう戦闘における主役は前衛なのだからバトルアニメなら当然そうだろう。
しかし、この主人公は後衛支援職。いかにも敵かサブキャラにいそうな腹黒そうな眼鏡キャラだ。
え?これが主人公である。そう、このアニメはバトルアニメじゃないのだ。
主人公がズバーンとかっこよく決めればそれで良いアニメではない。
その過程が大事で、何を考えどんな戦術を立てるかに主眼が置かれているのだ。
知略系主人公。ありそうでいてあまりいない、なかなか描くのが難しい異色の主人公だったといえる。

■思慮の面白み
 考えを描くという面でも一貫しているのだと思う。
前々項で書いていた、主人公の起こす行動が少しずつ影響力を上げていくという過程においても、
その段階毎に、主人公の"考え"が介在しているのだ。
考えがあって、行動を起こすことで次のフェイズへ進める、そこでまた発生する事態に考える。
それを順序立てて描写しているので納得感があるし、発想自体に おおっ!となることもしばしば。

「考えて行動することが世界を変えていく」というテーマが良い作品だった。
こうしてみるとNHKでやるのに相応しい内容だったなと思う。

見つめるのは30秒先の未来!

投稿 : 2014/04/20
閲覧 : 306
サンキュー:

15

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