missing31 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
アニメを捨てたアニメ
作画、ストーリー、音楽、すべて素晴らしい。
新海のひとつの到達点と言っても過言では無い。
しかし、彼の名を世に示した「ほしのこえ」は、
「フミコの告白」同様に、インディーズでこれかよ!!という故の高評価だ。
従って、商業レールに乗りプロとして制作した劇場用作品として観ると
この作品には特別な魅力を感じる事は出来ない。
絶対的にキャラクター、世界観設定、展開などに魅力が無いのだ。
これでは、恋愛小説を読んでいるのと変わらない。
しかし、テキストベースのもので良ければ、小説、漫画、18禁ゲームなど、
多数のメディアが存在し、実際にこの作品と同じ様に思春期の心の動きを
表現する作品で、この作品よりも印象深いものが多数ある。
アニメはリアリティを犠牲にして、本来あり得ない世界を描けるメディアだ。
そういったメディアの中で「リアリティ」で勝負するには、相当の力量が必要だ。
感動的な曲、美しいグラフィック、台詞を多用しないモノローグ、これらを
使い極力「アニメっぽさ」を排除した演出には、「アニメでやる必要あるの?」と
突っ込みを入れたくなってしまう。
作品として観るとレベルは高いと思うのだが、
正直この映画の登場人物は一人も覚えていない。