「千と千尋の神隠し(アニメ映画)」

総合得点
87.6
感想・評価
1804
棚に入れた
12236
ランキング
145
★★★★☆ 4.0 (1804)
物語
4.1
作画
4.2
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
4.0

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missing31 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

知られざるその価値

この映画を好きだと言うと、割とみなが納得する。
が、この映画を宮崎映画の上位に挙げると賛同を得られない事が多い。

一般的に宮崎映画は「愛と夢と希望」の作品だと思われがちだから。
そういった人は決まって、耳を澄ませば、や、トトロ、ラピュタ、紅の豚、等を
好きな作品として挙げるのだ。(別に私も嫌いではないが

この作品には、古の神々の領域を土足で汚した現代人への怒りと失望が込められている。
豚になった両親と、神々に奉仕させられる人型の、欲深い登場人物たち。
名前の無い少女は、湯屋の中で様々な事を教わり、空っぽの生き物と共に湯屋を出る。
多くを学んだ少女は、現代へ帰ることになるが、その瞳には確かに光が宿っていた。

「千」と呼ばれる少女は礼儀知らずで世間知らずだが、
優しい心を持った、強い少女だ。金をばら撒く空っぽの生き物は彼女のその姿勢に魅かれる。
決して金を受け取らない少女に対して、カオナシと呼ばれる生き物は怒り、追いかけ、そして
次第に絆されて無害な存在に変化していく。

カオナシは現代人の病んだ姿そのものだし、愚かで礼儀知らずな少女もまた然り。

湯屋の看板である「湯」と、街中にある「目あります」という看板を合わせて
「夢、あります」という監督のユーモア同様、愚かな消費社会に生きる我々に対して
多くを学び変わって欲しい、という監督の「希望」をこの映画に感じた。

主人公には無意識に、自己の一部を投影してしまうのが制作者というもの。
監督の様々な問いかけと世界観は、千を尋ねる、と書いて「千尋-ちひろ」と読む少女を通して、
清濁併せ持つ素晴らしい世界を我々を魅せてくれる。

投稿 : 2013/12/26
閲覧 : 373
サンキュー:

10

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