景禎 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人衣一体神衣鮮血
アニメオリジナル作品です。
生徒会長鬼龍院皐月(きりゅういんさつき)に支配された暴力と恐怖と権力の本能字(ほんのうじ)学園。主人公纏流子(まといりゅうこ)は、父親の死の秘密を知るために、父親の残した神衣「鮮血」を着て変身し、学園と戦う、というお話し。
キルラキルのキルは、もちろんKillのことですが「着る」とか「切る」の意味を掛けてるようです。まず「着る」ですが、この学校の制服は極制服と呼ばれ、生命繊維という生きた繊維が織り込まれており、その含有率によって一つ星、二つ星、三ツ星の三段階の極制服を、生徒会長によって与えられます。そして、極制服を与えられない無星を含めた4階層は、生徒と生徒の家庭の格付けとなり、この町の秩序となっています。
次に「切る」。主人公の武器は巨大な片太刀バサミ。その裁バサミは生命繊維を切ることができるという代物。
主人公纏流子(まといりゅうこ)100%生命繊維で織られた神衣(かむい)を手に入れます。それは、着る者の血を与えることで着る者と一体化(変身)し、着る者の戦闘力が飛躍的に増す、という設定になっています。
ジャンルは学園バトルアクション。それも、かなり昭和臭が強い作品です。CGを使って絵を贅沢に動かす最近の手法はあまり使わず、静止画を短い間隔で切り替えたり、変身シーンに変身バンクを使うなど、できるだけ少ない絵で効果的に物語を表現する伝統的な手法を多く用いています。そのため、昭和の少年向けテレビ漫画の雰囲気を醸しており、オールドファンには懐かしさを、若い層には新鮮さを感じさせる作品に仕上がっていると思います。
とくに主人公の友人満艦飾マコの家族は、昭和40年代頃の学園番長モノに出て来そうな感じで、なんとなく懐かしい。それにしても満艦飾マコのキャラはいいですねぇ。陰のヒロインと言ってもいい。
一応、学園アクションものではあるのですが、普通考えるようなものではありません。1クール目の壊惨総戦挙、塔首頂上決戦に引き続き、2クール目は三都制圧襲学旅行が始まります。(このネーミングセンスもすごいっす)このあたりから、ムチャクチャぶりがさらに加速、普通のアクションモノを遥にぶっ超えてます。14話はとくにお気に入りで、ぶっ飛び具合は半端ない。
OPのノリは今風ですが、EDの音楽は昭和50年代頃のアイドル女性歌手が歌いそうな歌です。どちらもたいへん良です。
わたし的にはバトルもの(というかケンカもの?)はあまり好きではないのですが、この作品のケンカシーンは絵や動きに心地よいリズムがあって、不思議といやな感じがしない。いや、むしろ気持ちいいです。全体の雰囲気は昭和の少年漫画の雰囲気ですが、神衣の変身シーンなど、かなりエロい表現も出てきます。けっこう味のある作品になっています。もちろんエロ以外を含めて、ね。