plm さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ノウマク・サラバタタギャテイビャク・サラバボッケイビャク・サラバタタラタ・ センダマカロシャダ・ケンギャキギャキ・サラバビギナン・ウンタラタ・カンマン
ラノベ原作の陰陽バトルファンタジー作品。異能バトルモノとして正統派なタイプの作品だろう。
近いイメージでは灼眼のシャナとか、とある禁書とかの系譜だと思う。
OPが凄まじくカッコよくて、視聴意欲が一気に刺激された作品でもある。声優も豪華。
そんなこんなで色んな要素に恵まれているのであるが、では本編内容はどうだろうか。
■お話の見所は?
この作品のストーリーの肝は、「隠し事」と「行き違い」だろう。
視聴者側からすれば、主要人物たちが抱いている"秘めた感情"は見え透いているのだけれど、
作中人物側にとっては、打ち明けることも察することもうまく行き合わない「隠し事」。
それがどんな形で明かされることになるんだろう?そしてどんな結末になるんだろう?気になる!
という、これがあったから見続けることができたんだと思う。
過去の大事な出来事っていうのを回想で語らせる作品は多いのだけど、
この作品では、最初に下積みとして北斗編をやっているからこそ、先の展開が楽しみになったといえる。
■陰陽モノとしてはどうか?
急急如律令をオーダー!とか言っちゃう辺り、なぜ突然の外来語?!という中二オシャレ感があるも、
まぁ「きゅうきゅうにょりつりょう」とか噛みそうだから、言いやすくて良かったのかもしれない。
そんな感じでわりとラノベ風アレンジが加えられているので、表現的にはライトになっていると思う。
堅苦しさがない代わりに、渋さもなくなったようで、普通の異能バトル的要素に落ち着いた感じ。
でも詠唱はオンビシビシナントカカントカソワカッ!……って感じで特徴的。
式神や五行相克とかいった概念はでてくるも、思想的というよりファンタジー的な側面が強かったよう。
■バトルモノとしてはどうだったか?
陰陽師って、戦士か魔法使いかで言ったら魔法使い側なので、
近接格闘戦みたいな動きのあるアクションは描けないのだけど、
そのあたりは詠唱と演出・エフェクトでうまく臨場感を描いていた場面も多くあった。
中でもやっぱり大友先生の術くらべは、技の応酬も激しく見応えある出来栄え。
バトルモノは主人公周りのパワーインフレというのが付き物なのだけれど、
この作品はある部分でパワーバランスが保たれていて、勝敗が読めないところが良かった。
大友先生は主人公っぽいよね。
■そして意外な結末
{netabare} 何が意外かって、主人公が死者を蘇らそうとするところだよね。
なんというかこれ展開として、すごいダークサイドに堕ちてる話だと思うし、
ちんもぎちゃんの立場もないと思うのだけれど、周囲の人物も肯定的だからいい方向に進んで見える。
でも禁忌とされてることやっちゃってる話だからね!?ゾンビちゃん生成してるからね?!
光の力で奇跡の蘇生!なら許されるとこもあるけど、(良く考えればやってること同じだけど)
序盤に死者を蘇らせるなんてだめだ!と息巻いた主人公が、陰陽術で死体を蘇らせる……
ってどう考えてもダークだからね!?
原作的には先の展開を見越してのことなのかもしれないが、アニメのこの終わり方は衝撃といえる。
なんかめでたしめでたしみたいなムードだけど、全然いい話で終わってないよね?!
余談:ざーさんキャラはよく退場したり復活したりするなぁ。 {/netabare}