遥か彼方 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
やっぱり一度は観てみて欲しい!(ネタバレは三話まで)
二話目視聴終了後すぐこれを書いています。
風景(特に自然の美しさ、川の水の煌めきなど)の輝かしい描写と荒廃した街並み(特に人工的な建造物など)の対比で、まずこの世界観に一気に惹かれました。三人のメインキャラはそれぞれが個性的で魅力が有ります。背負っている宿命は過酷なものです。彼女達自身の存在がそうだとも言えるかも知れません。
そして、一話、二話共通したのがどこかで半泣きになった事。
泣くところまでいかないけど、既に二話両方で私は胸に詰まる思いをさせられた。これはかなり貴重な経験だと感じます。
原作既読さんに勧めて頂き視聴を始めましたが、これからもっと盛り上がりを見せるとの話。
二話でこれだけ心を揺さぶられてる私は、今後どれだけこの作品に魅了されるのでしょうか。
OP・ED両方angelaで、彼女の透明ながらも力強い声がこの世界観を充分に盛り上げてくれます。個人的にEDは既に神です。
~泣きかけ所&タイトル考察&只今の疑問~
{netabare}
一話、防御服の重症者が防御服も装備も何もしていない荊を見て「天使だ・・・!」と呟き防御服の目の辺りが涙で埋まっていったのを見て泣きそうになった。
彼女は人間ではない、それこそ白衣の天使ナイチンゲールでもない、人間とは似て全く非なるもの「人形」なのに、その彼女を見て「天使」と呟いた、有る意味非常に残酷だと思えるシーン。
二話、汚染されて命の危険にさらされた雪子と未来を助けさせて欲しいと懇願したシーン。私は荊がまさかあそこで泣くと言う感情を表すと思っていなかった。荊は三人の中でも感情を押し殺してでも現実を受け止めている、そうする事で後の二人を支えている、だから悲しいと言う感情はあからさまには見せないと思っていた。
だから荊の「私達の18年間の生きてきた意味を取らないで下さい!」(台詞はちょっと違うかも)と泣き崩れたシーンは衝撃的で、またここでも不意を突かれたかの様に涙腺が緩んだ。だが後から考え出た事だが、あの場だから荊は泣けたんだと思う。もしあの場に二人がいたらどんなに辛くても泣かなかった筈。その役目はいつもなら二人のものだから。でも二人がいない、泣いても良い場所にいる事によって今までの18年間の荊の本当の思いが爆発したのだと感じた。そして荊と言うキャラが一気に愛おしくなった。{/netabare}
あまりにも視聴者と環境が違う為、感情移入での泣きかけではない気がするが、どこかで強制的にその世界観に押し込まれて突然泣かされそうになる台詞を聞かされる。
今の所そんなイメージの作品。
次、三つのタイトルでの共通点について
{netabare}一話「人形」二話「未来」三話「希望」
一話のタイトルを見た瞬間、どんなに人間らしい行動や言動をしても三人は「人形」なんだ、と無理矢理言い聞かされている気がした。見方によっては皮肉そのものだ。でもこの容赦無い直接的なタイトルで惹かれた視聴者も多いのではと思う。
二話、子供の名前が「未来(みく)」なのでそれの掛け合わせもあるだろうが二話の「未来(みらい)」は誰の未来なんだろうと感じた。母が助からないで父も死を選び、残された子供への「未来」と考えると何て残酷なタイトルだろうとしか思えない。それでも生きていけと言うメッセージなのか、それとも「人形」としてしか生きていけない「未来」なのか。ただ最後に子供が「お姉ちゃんありがとう、がんばって」と言ったエールは唯一「未来」と言うタイトルに相応しいと思えた。
でもこの二つのタイトル、そして次のタイトルも合わせて(三話はまだ未視聴だが)どこかタイトルの付け方がその回の内容と照らし合わせて皮肉、いや残酷にすら感じられる。きっと三話も「希望」と言うタイトルに相反する展開が待っていると今から予想している。
今回の展開に限って言えば、両親のどちらかが助かれば、少なくとも親子の「未来」が救われたのに、何故どちらも死なせてしまったのだろう。残酷で容赦がないと言えば進撃が思い浮かぶが、そこまでの絶望感ではないにしろこの作品もどこか、過酷へ過酷へと追い込んでいっている気がした。{/netabare}
最後に今の時点の疑問ですが「人形(COPPELION)」とは何だろうか?どんな仕組みで造られたと言うのは本編で出て来たが、どこまで自由が利くんだろうと感じました。
よくアニメでも誰かに束縛されているキャラが「私は○○の人形だから」と言うシーン(作品によってはネタバレ)があるが、この三人は上司に逆らって行動する事は出来るし、自分の意思で動ける。精神的束縛された「人形」ではないっぽい。勿論見た目がドール的な人形でもない。例えば「人形」としての禁忌を犯したら命が止まる様に操作されているとか、今後何か有りそうでそう言うのも興味深い所。
三話視聴!
{netabare}三話のタイトルは「希望」そして初めてタイトルと内容とが一致する会話が出て来た!(私のタイトルと内容を一致させないようにしているのではと言う考察は早くも崩れ去るw)
二話で孤児になってしまった未来ちゃんが再登場。心を閉ざしてしまっているらしい・・・ずっと窓の外を見ている子供。だが「あの子は希望」だと言う訳ありげな男性。
その正体は直後分かる。有る意味一番罪悪感と共に生きてきた男。
地下室でリンゴを食べる葵、だが「食物も本当の太陽の下でしか育つ事が出来ない」
ここで私が感じたのは、この作品だからリンゴは不味かったんだろうと言う事。他の作品で太陽光を真似てとかまあSFでは出て来そうでその時は「食物」は美味いイメージがどこかに有った。だから葵が不味そうにしていた時地下がどれだけ生きにくい場所か、人間は今どれだけ生きにくい環境かを改めて感じた。
ちょっと話はずれるけど、アニメ作品で食べ物を差し出す時ってリンゴが多い気がするのだがどうしてだろう?やはりアダムとイブで人間の原点となっているからだろうか?どうでも良い話だけど「ここでもリンゴか」と思ったので書いてみた。
今回一番の問題点(欠点と言う意味ではない)は荊がこの大惨事に対して思わぬ前向きさを見せた事。この事故が無かったら自分は生まれて来なかった、その荒廃した街ですら「故郷」と言い切れる彼女なりの気持ちだ。
だが二話では助けられない為に18年を無駄にしないで下さい
と号泣した彼女。てっきり自分が「人形」だと言う存在に憎悪しているのかと思いきや、今回は自分の存在にとても前向きだった。一話を観た時の印象とはかなり変わって来ている。何事にも動じず涙など「まだ」流すことなく任務を遂行、または自分の思うままに生きている。それが一話の彼女のイメージ。二話、三話と観てきて今は彼女自身が正直見えにくい。生々しい人体実験などのエピソードは個人的には遠慮したいが、どういう環境で育ってきたのか(親がいない事は判明)が非常に興味深い。正反対の気持ちを吐露した彼女の真意はどこにあるのだろう。{/netabare}
どうでも良い考察タイム
荊、タエ子の能力は解った。だが「私も何か能力欲しい」と言った葵にもこの展開なら確実に何らかの能力が有る筈。
で、私なりにその能力を考えてみた。
物凄い飛躍し過ぎの為、興味有る方だけお読み下さい(ネタバレじゃないけどあまりにもお粗末なので隠すw)
{netabare}あの葵は実はクローンで、本当の葵はどこかで眠らされていて、人類が本当に危険にさらされた時の最終兵器(彼女ではないけど)みたいなものではないか?つまり彼女を犠牲にして人類が生き残れる様な超ネタバレが有る存在。
ただそうなると書いていて葵が今二人といる意味は?と自問自答してる訳だがwムードメーカー葵ってだけじゃないだろうしw食いしん坊葵ってだけでもないだろうしw
やっぱり何らかの今後二人をサポートする必要な能力が有るんだろうか。まあ一番定番な所で、今後出てくるっぽい敵の攻撃を無効化とか?そんな万能葵じゃないかなあ{/netabare}まあこんなお馬鹿な考察含め葵覚醒に超期待しつつ。
この作品の「人形」の意味を是非見届けたいと思います。
(四話の予告、また泣きじゃくってるよ、何が有った!?)