「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者(TVアニメ動画)」

総合得点
83.1
感想・評価
2115
棚に入れた
12087
ランキング
335
★★★★☆ 3.7 (2115)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

wjk_anima さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

日本にぉける 究極の底力! 【ぉたく文化】 を12世紀頃へ宣伝する伝道者の物語なのらぁ

非常に面白ぃ試みの作品だと思ぅます…。

現代の日本から⇒ハリポタ時代(12世紀頃)にオタク文化を継承出来るのか…否か!?


浪漫を感じずニャ~いられなぃっ!! ジュンジュワぁ~ なのらすww


作画も綺麗で、時代背景も嫌いじゃない、むしろ、大好きだぁ~…ww


細かい設定も相当造り込まれてぃると思われる故、コケるなんて事は無いでしょぅ…多分!w


そんなこんなで、ぉ薦め致しま候!!!w


これにて一件落着!


貴殿のご武運心よりを祈ってぉるぞなぁ~…ww

《 あらすじ 》

加納慎一は自宅警備員であった。およそ一年間に及ぶ自宅警備員の生活は親によって強制的に終了させられた。そんな慎一が切羽詰まった挙句に、就活で手にしたのは異世界でオタク文化を紹介し広める仕事だった。殆ど拉致に近い状態で慎一が連れてこられた先はドラゴンが普通に空を飛ぶ神聖エルダント帝国だった。そこで出会ったハーフエルフのミュセルや神聖エルダント帝国皇帝のペトラルカとも仲良くなり、慎一の仕事は順調に滑り出したかに思えた。そんな矢先に過激組織によるテロ事件が発生する。果たして慎一は「萌え」で世界を改革することが出来るのか。
★ ジャンルとしては、オタク & ファンタジー のフュージョン〔 融合するのかっ!w〕★


【 概要 】

『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者』(アウトブレイク・カンパニー もえるしんりゃくしゃ、Outbreak Company)は、榊一郎による日本のライトノベル。イラストはゆーげんが担当している。講談社ラノベ文庫の創刊タイトルの1つとして同文庫から刊行されている。
タイトルでもある「アウトブレイク」は本書の中では爆発的感染拡大を意味している。本書について著者の榊は、ファンタジーの企画を考えていた時に「何がファンタジー世界に在ったら変かな」というところから考え始め、最終的に「エルフやドワーフ、ドラゴンやリザードマンが居る社会に株式会社があったら変だよな、その株式会社が漫画本などを扱っていると余計に変だよな」という発想から、連鎖的にこの話が出来上がったと述べている。

メディアミックス展開としては、漫画版が『good!アフタヌーン』(講談社)にて2012年11月号より梶谷きりの作画で連載中。また、スマートフォン用アプリ「嫁コレ」にも一部キャラクターが登場している。さらに、2013年5月にアニメ化企画が進行中であることが発表され、同年10月より放送中。日本国外においては、尖端出版(台湾)より翻訳版が刊行されている。そして、2013年10月には小説第9巻のドラマCD付き限定版の発売が発表された。

《 テレビアニメ 》

2013年5月にアニメ化決定が発表された。『アウトブレイク・カンパニー』のタイトルで2013年10月よりTBSほかにて放送中。

今回のアニメ化について、著者の榊は著作のアニメ化は5作品目であり、また今回は脚本などには噛まずに小説に専念すると述べている。講談社ラノベ文庫のアニメ化は2作品目であるが、放送は先陣を切ることが決定している。



★【 主題歌 】★

◆オープニングテーマ 「 ユニバーページ 」
作詞・作曲 - 渡辺翔 / 編曲 - 増田武史 / 歌 - 三森すずこ

◆エンディングテーマ 「 私の宝石箱 」
作詞・作曲・編曲 - ゆうゆ / 歌 - ペトラルカ・アン・エルダント三世(渕上舞)


★《 製作☆スタッフ 》★

●原作 - 榊一郎「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」(講談社ラノベ文庫刊)
●原作イラスト・キャラクター原案 - ゆーげん
●監督 - 及川啓
●助監督 - 松下周平
●シリーズ構成 - 荒川稔久
●キャラクターデザイン - 豆塚隆
●サブデザイン - 枡田邦彰、村山公輔、清水祐実
●メインアニメーター - 山崎正和、佐藤篤志
●美術監督 - 池之上由紀
●色彩設計 - 岩井田洋
●撮影監督 - 中村雄太
●編集 - 平木大輔
●音響監督 - えのもとたかひろ
●音楽 - 井内啓二
●音楽制作 - ポニーキャニオン
●プロデューサー - 田中潤一朗、高取昌史、有本充利、新宿五郎、相田武一郎、川崎とも子
●アニメーションプロデューサー - 瀧ヶ崎誠
●アニメーション制作 - feel.
●製作協力 - ポニーキャニオン、講談社、ダックスプロダクション、ポニーキャニオンエンタープライズ
●製作 - OBC製作委員会、TBS


★《 登場人物 》★

▼物語は基本的に慎一の一人称で進行する。一部慎一以外の人物による一人称や三人称で描写される部分もある。

【 日本 】

◆加納 慎一(かのう しんいち)
 声 - 花江夏樹
本作の主人公。
幼馴染に告白したが、失敗したため自宅警備員となった。このため学校に籍は置いていたものの通ってはいなかった。そんな生活を1年余り続けていたが両親の我慢が限界に達し、復学する・就職する・離縁するの三択を迫られ自宅警備員の生活と別れを告げた。{netabare}
現在は「総合エンターテイメント商社アミュテック社」の総支配人として、神聖エルダント帝国に半ば強制的に連れてこられた。そこで文化力に乏しい神聖エルダント帝国にオタク文化を広めるために日々活動している。
その場の状況を細かいところまでよく見ており、ピンチになった時に最適な解決方法を見出すことが出来る。
4人家族で、ラノベ作家の父と元エロゲンガーの母、兄よりも遥かに出来のいい妹・紫月がいる。
オタク知識に精通しており、オタク文化を貶す人には容赦しない。基本的にどのジャンルも受け付けられるが、妹キャラだけは馴染めずにいる。

◆古賀沼 美埜里(こがぬま みのり)
 声 - 内田真礼
慎一の護衛を担当している女性自衛官。所属は、陸上自衛隊東部方面隊第一技術団で、階級は一等陸士。
童顔でどこかほんわかした雰囲気があるが、緊急事態が発生すると雰囲気が変わる。また巨乳の持ち主で、Fカップ。
慎一同様かなりのオタクで、筋金入りの腐女子でもある。慎一とガリウスの二人の妖しい妄想を繰り広げている模様。BL成分が不足するとBL欠乏症になってしまう(7巻の短編話では大騒動を引き起こした)。
両親にとって、何年も待ってやっと出来た子供だったが、高齢出産だったため母親は美埜里を産んですぐに亡くなってしまった。父親は道場の後継者となる男の子が欲しかったため、美埜里に関心が無かった。このため幼少時代から父親に認めてもらうために稽古をつけてもらっていた。このことは、美埜里が自衛隊に入隊した理由にも繋がっている。

◆的場 甚三郎(まとば じんざぶろう)
 声 - 藤原啓治
内閣府直轄の「極東文化交流推進局」で局長を務めている人物。
少し白髪の混じった髪をていねいに七三に分けて、中肉中背の体身長を枯葉色の背広で包んでいる。目が細いため、常に微笑しているかのように感じる。また言葉にはどこかのんびりとした雰囲気があるが、言いたいことはきっぱりと言うことがある。
アミュテック社が活動する上で必要になる書類の作成や、本などの注文は全て的場が行っている。また、神聖エルダント帝国や日本政府との話し合いに参加することが多いため、慎一のいる洋館にはほとんど顔を出すことが無い。秋葉原で慎一を面接したのも的場だった。

◆綾崎 光流(あやさき ヒカル)
日本政府が神聖エルダント帝国に送り込んできた人物。女性もののコスプレ衣装を着ていることが多いが男性である。
慎一がバハイラム王国に連れ去られたのを知った日本政府が二代目総支配人にしようと考えていたが、慎一が神聖エルダント帝国に戻ってきてしまったため慎一のアシスタントという形で働くことになった。
アニメに詳しく製作者側の都合を多く知っている部分がある一方で、オタクを憎んでいる節も見られる。このため、オタク文化を侵略兵器として使われることに全く抵抗がない。
日本政府に短期間で実績を示すために、トレカをわざとゲームバランスを崩した状態で販売したり、やりこみ型のエロゲを制限なく持ち込んだ結果、異常な価格での取り引きや中毒症状を示す生徒が出始め、誘拐事件まで発生してしまった。慎一や美埜里が怒ったのに対し、最初は関係ないという態度をとっていたが、実際に中毒症状を起こした生徒や誘拐現場を見たことで心が変わり、自分の過ちに気付いた。

【 神聖エルダント帝国 】

〔 人間 〕

神聖エルダント帝国の中で最上級の種族。他の種族と比べて魔力、膂力は劣るものの、まんべんなく能力を備えていて弱点らしい弱点を持たなかった結果、最も数が多く繁栄し、文明や文化を発展させ国家体制を確立させた。

◆ペトラルカ・アン・エルダント三世
 声 - 渕上舞(テレビアニメ)/ 阿久津加菜(嫁コレ)
神聖エルダント帝国の皇帝。年齢は16歳。
見た目はかなり幼く、人形のような顔立ちをしている。幼女と呼ばれることを嫌っており、初見で幼女と叫んでしまった慎一を打ち首にしようとした。また胸はあまり大きくない。ペトラルカはそのことを気にしている。
神聖エルダント帝国最初に日本語をマスターした人の一人。最初はオタク文化に興味を示していたが日本語が理解できなかったため、エルダント城を抜け出しては慎一のところへ向かい漫画の朗読をせがんでいた。その後、日本語をミュセルと競い合いながら覚えるようになった結果、急速に日本語を吸収し日常会話程度の日本語なら魔章指輪なしでも問題ないほどになった。
ストレートパンチが得意で、威力はかなり強い。

◆ガリウス・エン・コルドバル
 声 - 三木眞一郎
ペトラルカの傍についている青年。ペトラルカとは遠縁に当たる。
大臣の一人で、外交関係はほとんどガリウスが握っている。また、神聖エルダント帝国の騎士でもあり、騎士団の中でもかなり上位の階級にいる。慎一たちが使用している魔章指輪もガリウスの名義で発行されている。
かなりの美青年だが、同性にしか興味がない。慎一のことがお気に入りの様子。綾崎光流との初対面の際、光流に関心を抱いたことから、慎一はガリウスも女性に興味があったのかと驚いていたが(当初は慎一は光流を女性と思い込んでいた)、実際は光流が男性であることを一発で見抜いていただけだった。
最初はオタク文化に一線を引いていたが、ほぼ言いがかりに近い言葉でミュセルを責めていたペトラルカを言葉で黙らせたことにより意識が変わり、オタク文化を受け入れるようになる。最近ではやおい系の本を積極的に読むようになった。
ガリウスの両親とペトラルカの両親は、昔に帝位継承権を巡って争ったことがある。結果は双方共倒れとなり帝位継承権第1位のペトラルカが皇帝の座を継ぎ、ガリウスが摂政の立場につくことで両派閥とも潰されることなく残った。

◆ザハール宰相
 声 - 一条和矢
ペトラルカの傍についている老人。神聖エルダント帝国で経済関係を主に扱っている。
裾の長いローブを身にまとっており、顔はあちこち皺だらけ、さらに目元や口元を隠すほど伸びた眉毛や髭はすっかり白くなっている。日本との文化交流に積極的。

◆エドアルド・テオドロ・ペルティーニ
アミュテック社が設立した学校に通っている生徒の一人。十代半ばで、カールした金髪が特徴的。
オタク文化にのめり込んでしまい、中毒症状を起こしていた。その症状は他の生徒より深刻で、ライトノベルなどの本を取り上げると屋敷から脱走し、発見されるのはいつも学校で、貴族としての振る舞いや行儀作法、社交ダンスの家庭教師をつけようとすると喚きだし手が付けられなくなるほどだった。現在は慎一からルールを定められたことにより落ち着いた。
学校内でも指折りの優等生で、仮名文字はもちろん、第一水準漢字もいち早く習得した。このため最初はライトノベルの翻訳ばかりしていたが、後に二次創作に手を出した。このことから4巻の映画製作の時に脚本を担当した。
彼の父親バルダレッサ・テオドロ・ペルティーニはエルダント帝王より爵位を賜っている貴族。

〔 エルフ・ドワーフ 〕

神聖エルダント帝国において人間の下についている種族。種族全体として見ると人間より格下に位置付けられているが、中には出世をしてそれなりの地位を確立しているものもいる。エルフは魔法力が強く魔法を使うのは得意だが繁殖力が弱い。また、ドワーフは恐ろしい膂力を持ち子供のうちから身の丈ほどもある戦斧を片手で振り回す。その代りに体が小さく戦では不利になる。双方とも仲が悪く、同じ場に二種族が揃うと必ずといってもいいほど喧嘩が勃発する

◆ミュセル・フォアラン
 声 - 三森すずこ
慎一のお世話係をしている少女。年齢は16歳。神聖エルダント帝国に雇われている。
ハーフエルフという理由から人間やエルフからあまりいい目で見られていない。このため普段は特徴的なエルフ耳を隠すようにして生活している。最初は慎一の前でも隠していたが、慎一がハーフエルフであることを責めなかったことから普段生活している洋館では耳を隠さなくなった。複雑な家庭の事情から、母親とも長年会っていないが、彼女の事は別段嫌ってはいない。
2年ほど兵士をしていたことがあり、数は少ないがいくつかの魔法を扱うことが出来る。
神聖エルダント帝国で最初に日本語をマスターした人の一人。慎一から貰った平仮名の書かれた一覧表を大切に扱っている。最初は一覧表を元に独学で勉強していたが、慎一が勉強を手伝うようになってから急速に日本語を覚え始めた。更にペトラルカとも競うように勉強をするようになってからその勢いは増し、あっという間にミュセルの日本語は上達していった。そのため現在では、アミュテック社が創設したオタク養成のための学校で日本語を教える講師としても活躍している。なお、神聖エルダント帝国の言葉を話すことは出来るが、文字を書くことは出来ない。
ペトラルカとは最初の頃は身分の差により毛嫌いされていた。しかし籠城事件の際にペトラルカの命を守ったことによりほぼ対等な立場で見られるようになった。

◆ファルメル・フォグロン
ミュセルの母親であるエルフ。エルフは歳のとり方が緩やかな(10代~20代頃の時期が長い)ためか、容姿はミュセルと瓜二つである。エルフの大商会「フォグロン家」の出身で、病で亡くなった祖父に代わって当主となり、複雑な事情で15年以上も会っていなかった娘のミュセルを迎えに来る。「先見の目」という未来予知(ぼんやりと未来の風景が見える)の特殊能力を持っており、それを商才に生かしている(ミュセルには受け継がれていない)。最終的にはミュセルを連れ帰ることを諦め、帰って行った。

◆ロイク
慎一の設置した学校に通っている生徒の一人。エルフ族の少年。
学校にいるエルフの中では中心的な存在で、日本語の読み書きの成績も上位にいる。ドワーフ族のロミルダと仲が悪かったが、今ではすっかり仲良しになった。
4巻でドラゴンに襲われそうになった時に美埜里に助けられたことで惚れてしまい、告白をした。

◆ロミルダ
慎一の設置した学校に通っている生徒の一人。ドワーフ族の少女。
神聖エルダント城を建設した際に貢献したドワーフ家の娘で、ドワーフとしては珍しく貴族扱いを受けている。エルフ族のロイクと仲が悪かったが、今ではすっかり仲良しになった。

◆ジェイド
慎一が設置した学校に通っている生徒の一人。エルフ族でロイクとよく一緒にいる。
光流が持ち込んだやりこみ型のエロゲにはまってしまい、授業をサボる・片時もゲームを離さないなどの中毒症状を起こしていた。

〔 リザードマン 〕

神聖エルダント帝国において最下層に当たる種族。基本的な立ち位置が低いため、エルフなどと違い出世をしても限界がある。他の種族と違い爬虫類に分類される。強健な肉体を持つが魔力が皆無に等しく、また爬虫類という性質上、気温によってその能力が上下するという不安定さを抱えている。さらに殺戮を好み食べるための狩猟以外に、趣味や文化の一端としてに大規模な狩りを行うことがある。手強い相手を標的にするため、長く人間の仇敵となっていたが数百年前に大規模な種族間戦争が起こった際に敗北し、奴隷として人間社会に組み込まれた。

◆ブルーク・ダーウェン
 声 - 富田貴洋
慎一が暮らしている洋館で庭師と力仕事をやっている。神聖エルダント帝国に雇われている。
気温の下がる夜にはめっぽう弱い。このため、夜は廊下の床で寝ていることが多く踏まれることも少なくない。
シュリスという妻がいる。昔あった戦争により自分たちの卵が割れてしまったことから、子供を守れないのに妻に卵を産ませるわけにはいかないと考えていたため子供はいない。
神聖エルダント帝国の兵士をしていたことがある。その時にいくつかの功績を残し、リザードマンの地位向上に貢献した。このようなことから部族内では「英雄ブルーク」と呼ばれている。

◆シュリス
ブルークの妻にあたる。3巻から登場した。
ブルークが過去の出来事によりシュリスの前から姿を消してしまったため、長い間連絡を取れずにいた。現在は慎一の暮らしている洋館でメイドとして働いている。


〔 バハイラム王国 〕

◆エルビア・ハーナイマン
声 - 上坂すみれ
ウェアウルフの少女。18歳。三姉妹の末娘。優秀な姉達にコンプレックスを抱いている。
慎一の暮らす洋館や学校をスケッチしていたところを自衛隊に捕獲された。バハイラム王国のスパイだが、ドジなためスパイには全く向いていない。現在は慎一の学校でお抱え絵師として雇われている。今まで絵を描くときは木炭を使用していたが、慎一に画材提供を受けクレヨンで絵を描いている。
最近「月のモノ」と呼ばれる現象が始まった。まだ月のモノをコントロールすることが出来ず、慎一を襲ったことがあった。
元々ウェアウルフは狩猟本能や闘争本能が強い種族だが、人間社会に組み込まれたことで狩猟本能や闘争本能を抑え込むように強要されている。そのため狩りをしたいという気持ちを他のものに打ち込むことで逸らしている。

◆アマテナ・ハーナイマン
バハイラムの情報部に勤める軍人で、エルビアの姉。三姉妹の次女。慎一をバハイラムに誘拐し、彼の持つ異世界の技術(映画など)を使って、子民の王父への忠誠心を高めようとする。戦闘能力は高く、美埜里の格闘術を軽くあしらうほど。懐柔できないと知った慎一を、頭に魔法具の楔を打ち込んで傀儡竜と同じ状態にしようとし、彼を救出に来たエルビアや美埜里、ミュセルと敵対する。しかし、最終的には考えを改め直し、バハイラムから脱出する慎一達をクラーラと共に見送った。

◆ジジレア・ハーナイマン
エルビアの姉で三姉妹の長女。アマテナと同じく軍人である。作中では名前が語られただけで、今の所本人は登場していない。

◆クラーラ・ベルバリス
アマテナの部下の獣娘。アマテナの命令で慎一を籠絡すべく、抱かれようと彼に迫る。軍属のためか多少なりとも戦える模様。アマテナのことは「お姉様」と呼ぶ。バハイラムから脱出する慎一との別れの際、彼にキスをした。


★《 世界観☆設定☆用語 》★

この項目では本作に登場する用語について記載する。本作にも登場する言葉は「本作中用語」に、本作にて用いられる用語ではないが当該状況について記述することが多い事象について、記述簡略化のため定義するものは「本記事中用語」に記載する。

〔 本作中用語 〕

【 国家・組織 】

◆神聖エルダント帝国

本作の舞台となっている国。日本から見れば、異世界に存在する。
多種多様な種類の種族から成り立っている。このため、身分差別や民族差別が根付いている。一番上の種族は人間で、一番下は蜥蜴人となっている。
富士の樹海で清掃ボランティアと地元警察が、神聖エルダント帝国へとつながっている穴を発見した。その事実を知った日本政府は、他国にばれないように秘密裏に調査隊を派遣し、神聖エルダント帝国と国交を樹立するのに成功した。
長年他国と紛争を行ってきたため、文化水準は中世西欧に酷似している。特に文化力に欠ける神聖エルダント帝国は、日本のオタク文化を取り入れることに合意する。また、識字率も低く庶民のほとんどは文字の読み書きをすることが出来ない。
日本の警察にあたる組織が存在しない。このため、国内のもめごとは全て神聖エルダント帝国の軍が片を付けている。日本政府はこの警察権を得ようとしていた。

◆バハイラム王国

神聖エルダント帝国の隣国で、長年神聖エルダント帝国と争いを続けている国。バハイラムとは古語で「家族」を意味する言葉。
この国では「国民は皆ひとつの家族である」という考えが根付いており、「王父様(おとうさま)」と呼ばれる国王を皆の父親として崇めている。国民は「子民(しみん)」と呼ばれ、工房や特別職に就いている人以外は農業に従事している。
適齢期に入ると、国王の決めた相手を結婚するのも決まりの一つである。結婚式は何十組かが合同で行う。また国王も結婚式に参加するため、結婚式は国から指定された日時に行われる。
元々あまり豊かな国ではなく、限られた水資源や食料を求めて痩せた土地を巡回移動するように暮らしていた。しかし、数代前の国王が国の方針を大きく変え富国強兵を推し進めていくようになった。その結果神聖エルダント帝国に匹敵する強力な国家へと成長することに成功した。
慎一を誘拐した目的は、オタク文化を使って国王への国民の忠誠心を今以上に高めさせるためだった。

◆極東文化交流推進局

日本政府が神聖エルダント帝国と国交を樹立する際に政府内に設置した組織。傘下に総合エンターテイメント商社アミュテックがある。
他国に神聖エルダント帝国の存在がばれないようにするため表立った活動はせず、更に政府内でもかなりごたごたしていることから必要最小限の人数、限られた予算で活動している。
お互い文化交流から始めていくことに合意したため、日本政府は最初陶器などの伝統文化関連を持ち込んだ。しかし反応がいまいちだったため、途中から比較的受けの良かったオタク文化に方針を切り替えた。その際に、「役人がかかわるとどうしてもずれてしまう」という意見があったため、民間人が代表を務めるアミュテック社を創設した。代表者を選ぶ時の条件は、「この世からふらっと消えても違和感のない、いつでも証拠ごと処分することが出来る人間」で、慎一はその注文に合致していたため拉致に近い状態で異世界に連れ込んだ。
オタク文化による神聖エルダント帝国の文化侵略を企んでいたが、慎一にばれただけでなく神聖エルダント帝国側にも知られてしまったため、大胆な行動が取れなくなってしまった。しかしまだ、神聖エルダント帝国を文化侵略することは諦めていない様子。

◆総合エンターテイメント商社アミュテック

日本政府と神聖エルダント帝国の共同出資により作られた異世界初の企業で、極東文化交流推進局の傘下に存在する半官半民企業である。代表は慎一が務めている。神聖エルダント帝国へのオタク文化輸出と、日本語、オタク文化の知識を教え広めるのを目的としている。
アミュテック社が管理運営しているオタク養成のための学校がある。

◆学校

アミュテック社が創設した、オタクを養成するための施設。神聖エルダント帝国では学校という概念が無かったため、国内初の教育機関となった。
出来るだけ多くの人にオタク文化を楽しんでもらいたいという考えから、厳密な入学資格を設けず、学費は全てアミュテック社持ちにしていた結果、皇帝陛下肝いりの施設という噂も相まって、入学希望者は庶民から貴族まで1000人が応募した。1期生はその中から50人が選ばれた。

〔 その他 〕

◆魔章指輪

神聖エルダント帝国に存在する指輪。翻訳機の役割を果たすだけでなく、神聖エルダント帝国内での身分証も兼ねている。このため慎一たちにとってはこれが命綱に等しいものになっている。最小限だが魔力が無いと使用することが出来ない。指輪はガリウスの名義で発行されている。

◆フェイドラ

4巻の映画撮影の際に作られた偽ドラゴン。元々名前がついていなかったが、ロイクに名づけられた。製作には建築物や金物細工が得意なドワーフの親が協力した。
5巻ではロイクとロミルダがいくつかの魔法を施し、空を飛べるように改良した。この改良のおかげで慎一救出作戦の際に活躍した。

◆傀儡竜

バハイラム王国で研究されている兵器の一つ。ドラゴンを魔法により傀儡状態にし、操ることで兵器と化す。
考え方自体はかなり古くから存在していたが、殺すのも大変なドラゴンを生きたまま捕まえ、頭部に魔法具と呼ばれるドラゴンを操るための楔を打ち込むという作業は非常に困難だとされていた。
バハイラム王国では様々な生物を傀儡状態にする実験を行っている。また慎一がバハイラム王国に連れ去られたときに、言うことを聞かなかった慎一を傀儡状態にしようとした。
頭に刺さっている楔が弱点。

◆憂国士団による籠城事件

慎一が巻き込まれた事件。慎一が持ち込んだオタク文化が、今まで神聖エルダント帝国が築いてきた文化を破壊する侵略だとして、出来たばかりの学校にいた慎一たちや数人の子供、視察に訪れていたペトラルカなど数十人を人質にとり籠城した。
慎一の機転により、犯人を全員捕まえるのに成功するが、ミュセルがペトラルカを狙って投げられたナイフを受けて重傷を負った。また、関係各所で責任追及が行われ、近衛騎士や警備関係の何人かが厳罰処分を受けた。以降ペトラルカが城の外に出る時は、一個小隊並みの護衛を連れ歩かなくてはならなくなった。
この事件がきっかけでペトラルカのミュセルに対する考えが変わるようになり、また慎一が日本政府の裏の意図に気付くことになった。

◆サッカー御前試合

神聖エルダント帝国で初めて行われたスポーツの祭典。アミュテック社が主催となった。神聖エルダント帝国内で常に起こる種族同士の衝突、学校内でいまいち受けの良くないスポーツものの漫画やアニメに人気を出すため、更に下級部族の地位向上などの解決のために慎一が提案し、神聖エルダント帝国に了承され開催された。
元々魔法の使用は禁止だったが、部族の特徴や身長などの差から、魔力を使わないと勝てない部族が出たことで魔法の使用を了承した結果、サッカー関係者が見たら卒倒しかねない乱闘に近い試合となってしまった。
第一回の試合は、自衛隊チーム・騎士団チーム・エルフ学生チーム・ドワーフ学生チーム・人間学生2チーム・ハーフエルフなどの混成チーム・リザードマンチームの8チームが出場し、優勝は騎士団チーム、準優勝はリザードマンチームという結果で終わった。
試合と同時にサッカー賭博も行われていた。市場の一番人気は「サッカーの本場」からやってきた自衛隊チームだったが、優勝は騎士団チーム、準優勝はリザードマンチームだったことで市場は大荒れとなった。このため、胴元のアミュテック社はもちろん、神聖エルダント帝国と日本政府の儲けはそれなりのものとなった。

◆映画撮影

神聖エルダント帝国で初めて撮影された特撮映画。主演はペトラルカ。サッカー御前試合を行った際に、記録として自衛隊が撮影していた映像が、YouTubeやTwitterを通じて全世界に流失してしまったため、その映像をごまかすために制作された。元々はメイキング映像を何本か撮る予定だったが、ペトラルカが映画撮影にのめり込んでしまい公務に支障が出始めたため、本編を作成し撮影を終了させた。本編はエルダント城やその城下町の数か所で上映が行われたが、出演者が自分の演技を見て悶絶し暴れだしたため上映は中止、封印された。ところが城下町の上映取りやめが間に合わず、また最初の方を見逃した国民が「最初から見せろ」と暴動寸前にまで発展する騒ぎとなったため、城下町では連日上映が行われた。またエンディングでペトラルカが踊る踊りが国民の間で流行した。

〔 本記事中用語 〕

◆慎一暗殺未遂事件

慎一の命が狙われた事件。日本政府の裏の意図、神聖エルダント帝国の文化的侵略を企んでいることに気付いた慎一が暴走したため、日本政府は陸上自衛隊中央即応集団特殊作戦群を神聖エルダント帝国に派遣、慎一を暗殺しようとした。日本政府の真の意図に気付いていたことと、その動きを予想していた神聖エルダント帝国は慎一を護るために軍を派遣し、全面戦闘に発展した。
最終的に自衛隊員全員が捕まったことと、ペトラルカが慎一と日本政府が話をしている時に、「聞こえているぞ」という意思表示を日本語でわざとしたことが功を奏し、慎一の処分は取り下げられた。
この出来事の後、日本政府は神聖エルダント帝国に対して慎重な動きを取らざるを得なくなったが、同時に慎一をアミュテック社の総支配人から引きずり下ろそうとする動きも出てくるようになった。{/netabare}

投稿 : 2013/10/12
閲覧 : 300
サンキュー:

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